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2021年08月30日15:07

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「モロッコ、彼女たちの朝」

地中海に面する北アフリカの国モロッコを舞台に、それぞれ孤独を抱える二人の女性がパン作りを通して心を通わせていく姿を、豊かな色彩と光で描いたヒューマンドラマです。これが長編デビュー作となるマリヤム・トゥザニ監督が、過去に家族で世話をした未婚の妊婦との想い出をもとに撮りあげたそうです。

臨月のお腹を抱えて、モロッコの都市、カサブランカの旧市街をさまようサミア。イスラム圏のモロッコでは未婚の母はタブーとされ、妊娠中絶が法律で認められていません。彼女は美容師の仕事も住居も失ってしまい、故郷の家に帰ることもできません。住み込みで働ける所を探しますが、どこでも断られてしまいます。路上に座り込んでいたところを、小さなパン屋を営むアブラの家に招き入れられます。アブラは夫を事故で亡くし、幼い娘との生活を守るため心を閉ざして働き続けていました。パン作りが得意で、元々は陽気なサミアの存在は、孤独だった母子の日々に光を灯します。
無事に出産後、抱こうとしなかったサミアでしたが・・・。

異国情緒あふれる町の喧騒も、美味しそうで珍しいパンの数々も、そしてフェルメールやカラバッジョなどの絵画が好きで影響を受けたという監督による、絵画のような映像美も魅力でした。
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