ビリー・ジョエルもアメリカで最も活躍したポピュラー歌手の一人である。
が、活躍した期間的には僕は超末期しかリアルタイムに聴いていない。
しかし、学生時代ラジオのヘビーリスナーであった僕は
彼の楽曲を数多く耳にしており、彼の有名なシングルの殆どは
カラオケで歌うことは出来るくらいに聴きこんでいる、という存在ではある。
彼の活躍期間は70年代から2000年までで、
僕が彼のアルバムを最初に手にしたのは1989年か1990年である事は間違いない。
親友の一人アダチはポピュラー音楽など殆ど聴かず、
彼の部屋に遊びに行く度に
僕のコレクションにある「スネークマンショー」のカセットテープを
ダビングしては嬉々としてそれらを暗唱するような男だったが
唯一、CD新譜を購入したポピュラー歌手がビリーだった。
そのアルバムは「ストームフロント」であり、それを心してお借りして
テープにダビングしたのが僕とビリーの最初の邂逅であった。
それまでのラジオを通じた一方的なアプローチと違って
ビリーの音楽と正対して聴いて抱いた印象は彼は実に繊細であるという事である。
余り多層的なサウンドは好まず、サンプリングを駆使しても
彼の愛するジャズサウンドは邪魔せずにカットイン的な使用に留まっていて
いわゆる流行りの音楽とは一線を画していたと受け止めた。
アルバムに収録されていた「We Didn't Start the Fire」はたしか
歌詞が社会的に何か曰くのある単語を並べるだけで
サビの部分だけが彼の言葉、という感じの曲だったが
それだけで何かを伝えたいという試みだったように思う。
アダチとの数多い交流の中でビリーの存在は決して大きくなかったが
僕がビリーの音楽を聴くようになったのはそれ以降である。
次にリリースされた「リヴァー・オブ・ドリームス」が
彼のスタジオミュージシャンとしての最後の作品となったが
出来としては過去の数作品と比すると難解というか
明るさに欠ける仕上がりになっていて、
評価としては「絶賛」というわけには行かなかったが
結果的にそれが最後の作品になったのだったとしたら
今から考えると感慨深い。
上記の2枚のオリジナルアルバムは、前者はテープのみ、
後者はCDで購入後に友人に貸したまま行方不明である。
その後、アダチの結婚式の帰り道に寄ったレンタルCD屋で
借りたのが当ベストアルバムであり、
現在唯一手元にあるのビリージョエルを聴く音源となっている次第である。
僕は音楽とは、ミュージシャンのバイオグラフィと並行して聴くべき、
と考えている。
いかな犯罪者であったとしても、
犯罪を犯す前に作った音楽というものには罪は無い筈であり
それをまとめて否定することはしない。
また、若い頃は純愛を歌った歌手が、
その後に歌とは程遠い人生を送ったとしてもそれを否定する積りはない。
ベスト盤にはミュージシャンのバイオグラフィが詰まっているのだが
稀に「消された」部分があるとそれは残念な事である。
色々事情はあると思うのだが、それでも残念だ。
ビリー・ジョエルのすべてが当アルバムで分かるとは言わないが
シングル曲群を通じて、当時の世情と彼の背景が伝わったら
それはそれで素晴らしい体験になると僕は約束する。
評価 ★★★★★
「素顔のままで」(Just the Way You Are)
「マイ・ライフ」(My Life)
「ロックンロールが最高さ」(It's Still Rock and Roll to Me)
「イノセント・マン」(An Innocent Man)
「ピアノ・マン」(Piano Man)
「エヴリバディ・ラヴズ・ユー・ナウ(ライヴ)」(Everybody Loves You Now (Live))
「エンターテイナー」(The Entertainer)
「街の吟遊詩人は…」(Streetlife Serenader)
「ニューヨークの想い」(New York State of Mind)
「さよならハリウッド」(Say Goodbye to Hollywood)
「シーズ・ガット・ア・ウェイ(ライヴ)」(She's Got a Way (Live))
「ムーヴィン・アウト」(Movin' Out (Anthony's Song))
「シーズ・オールウェイズ・ア・ウーマン」(She's Always a Woman)
「オネスティ」(Honesty)
「ガラスのニューヨーク」(You May Be Right)
「ドント・アスク・ミー・ホワイ」(Don't Ask Me Why)
「マイアミ2017(ライヴ)」(Miami 2017 (Seen the Lights Go Out on Broadway) [Live])
「ストレンジャー」(The Stranger )
「アップタウン・ガール」(Uptown Girl)
「あの娘にアタック」(Tell Her About It)
「ザ・リヴァー・オブ・ドリームス」(The River of Dreams)
「ロンゲスト・タイム」(The Longest Time)
「ハートにファイア」(We Didn't Start the Fire)
「グッドナイト・サイゴン〜英雄達の鎮魂歌」(Goodnight Saigon)
「アレンタウン」(Allentown)
「レイナ」(All for Leyna)
「ディス・イズ・ザ・タイム」(This Is the Time)
「夜空のモーメント」(Leave a Tender Moment Alone)
「マター・オブ・トラスト」(A Matter of Trust)
「モダン・ウーマン」(Modern Woman)
「ベイビー・グランド」(Baby Grand (duet with Ray Charles))
「愛はイクストリーム」(I Go to Extremes)
「レニングラード」(Leningrad)
「ザ・ダウンイースター"アレクサ"」(The Downeaster 'Alexa')
「オンリー・ヒューマン」(You're Only Human (Second Wind))
「君が教えてくれるすべてのこと(リミックス)」(All About Soul (Remix))
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