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2021年01月04日10:39

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12月28日 横浜にぎわい座「米紫・吉弥ふたり会」

 12月25日鈴本演芸場下席昼の部「年末特別企画 暮れの鈴本富久まつり」へ。

 久しぶりの鈴本。今席は日替わり主任が、年末らしく「富久」を演じる。客席を千鳥にして飲食OK。但し定席で唯一ビールの自販機を置いていた鈴本が、アルコール全面禁止となった。入場者数は50人強といったところか。一席置きに座るので、まんべんなく客が散らばった感じ。

●前座 扇ぱい「饅頭怖い」
 初めて見る扇遊の弟子。元NHKのアナウンサーだそうで、これはある意味東大卒よりすごい経歴では?

●一蔵「浮世床」
 二つ目が集まって飲んでいたら、隣の座敷のヤンキーから「お前らうるさいんだよ!」とすごまれ、その場にいたなな子が「アニさん、ここは任せてください。アタシ足立区出身ですし!」と売られたケンカを買いに行った・・・というマクラから「太閤記」読みを。

●さん喬「替わり目」
 先日今松の「笠碁」を聞きながら、さん喬の「笠碁」と比べていた。「棋力の合った者(ヘボはヘボ)同士、仲良くやっていこう」と落語的に落ち着く今松に対して、老境にあっての友は得難しとドラマチックに盛り上げるさん喬。どちらが良い悪いではなく、演じ手の数だけ落語があるなぁ・・・と。

●はん治「千早ふる」
 はん治の古典聞くの何年振りだろうか。とは云っても古典も新作も、いつものごとくどこかよそ事みたいな語り口。これも味ですな。

<換気のために休憩>
 演芸場のおねえさんたちが「マスク着用」のボードを持って場内を回る。

●漫才 ロケット団

●一朝「牛ほめ」
 丁寧な前座噺は楽しいものだ。

●白鳥「ナースコール」
 今席池袋昼主任で、恒例「富Qまつり」の最中。連日満員で、今日も朝から50人も並んだそうだ。

<中入り>

●動物物まね 小猫

●歌奴「宮戸川」
 目出度く結ばれた半七お花の間に生まれた子供が、後に噺家になり五街道雲助に・・・のオマケ付き。

●紙切り 楽一

●雲助「富久」
 緊張(火事見舞い)と緩和(燗酒、出入りを許される)、絶望(札焼失)と歓喜(札発見)。ご贔屓をしくじっては生計が成り立たない幇間・久蔵の哀しさと、それでも生来の愛嬌でどうにか世の中を渡っていく図太さも然り、とことんアップアンドダウン、そして最後は大団円の物語。

 白い靄の中を進むように過ぎた2020年も終わる。
 28日は横浜にぎわい座ホールで「米紫・吉弥ふたり会」。3月開催延期で6月、それも中止・・・と諦めていた会がギリギリ年内開催。その間に吉弥がナレーションを担当する朝ドラが始まり、オープニングトークでも「おちょやん」話。米紫は、このコロナ禍で3月〜6月時期は仕事が一切なくなり、若干回復してきたものの、例年の4割程度までに高座の数が減っている・・・とか。この日も米朝事務所の動画生配信のためにトンボ返りで大阪に戻ったそうだ。

●吉弥「みかん屋」
●米紫「猫」
<中入り>
●米紫「お花半七」
●吉弥「いの一番」

 この日は新作落語メインの会で、米紫はたまのZOOM落語会でも演じていた、小佐田定雄の作品を。あの時たまが云っていた「SR」は、やはり枝雀のショート落語のことなのね。笑いは緊張状況が緩和された時に生まれる・・・という枝雀の理論をあらかじめマクラで説明しながら、「すこしふしぎ」な噺を語る。
 吉弥は大阪→東京の新幹線移動中に一本落語を書くという文枝から「自分で落語作りなはれ」と云われて以来、何作か干支にちなんだものを作り続けているそうな。「いのいちばん」は猪のごとく猪突猛進な旅行会社社員のトンデモ噺。
 この日は米紫の「お花半七」がなかなか良かった。色気を感じさせるというか・・・よく知った噺を普段聞かない演者で聞くというのも、新しい発見があって良いものだ。

 
 個人的に今年の心に残った高座
●喬太郎「文七元結」(1月鈴本)
●左龍「初天神」(9月池袋)
●小満ん「居残り佐平次」(9月日本橋亭 神田春陽の会)
●兼好「寝床」(10月横浜のげシャーレ 東海道神奈川宿寄席)
●文雀「柳田格之進」(10月池袋 独演会)
●鯉八「長崎」(10月浅草 昇進披露)
●扇遊「ねずみ」(10月浅草余一会 龍志・志ん輔・扇遊三人会)
番外 伯山TV、たまのZOOM落語会

 今年は全然聞いてない・・・のだが、思い返してみたら、それなりに数が◎上野正月二之席喬太郎、だが、これが何も考えずに気楽に落語を聞けた最後の高座になろうとは◎ようやく左龍の面白さがわかってきた自分◎人力で品川に颯爽と乗り付ける明治の居残り◎二度の延期を経て開催された横浜の地域寄席。熱心な主催さんたちに応援されている兼好◎盛り上がらない、というか敢えて盛り上げない、生来融通の利かない柳田格之進らしい文雀の「柳田格之進」◎コロナで遅れたが祝・真打昇進。楽しみにしています◎久々に龍志が見たくて予約した会だったが、仕事で遅れて間に合わず、残り二人しか見られなかった。扇遊の落語は「懐の広さ」。今年のベスト高座はこれ。9月以降に集中しているのは、劇場運営の新ガイドラインが出された時期に重なるからかな◎番外は今年、異常事態の中で楽しませてくれた。伯山の配信は、講釈場を現代に再現するならば、こういうものになるのか、という興味で見ていた。他にも新しい試みに挑戦している落語家は多くいるはず。ただ、配信で面白く笑わせてくれるというだけなら、お笑い芸人やユーチューバーの動画に勝てるはずもない。

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