劇場版仮面ライダー01 REAL×TIME』
<ストーリー>
新たな楽園を創造するという謎の男エスが率いる集団が世界中で毒ガステロを開始した。
この事態にエイムズの刃と亡、不破、サウザー課の天津、そして滅亡迅雷ネットの滅と迅もまた彼らに挑んでいく。そして、いち早くエスに挑んだ或人は・・・
<コメント>
本来は放映中の夏に公開するはずだったのがコロナ禍のせいで最終話の後の公開になったのだが、おかげであの泣きたくなるほど素敵だった最終話の後の皆が見られて本当にうれしかった。なにしろ敵対していたライダー達が人間とヒューマギア(AI)という垣根を越えて共に未来を目指すという展開の後なので滅亡迅雷ネットもサウザーの天津も皆味方という状況で一体何を悪役に据えるのかと言う興味があった。
実は冒頭のいきなりのエスの破滅宣言からの或人の対決と激しい戦闘の末に敗北。世界中で行なわれるテロ活動と、実にチャカチャカして展開にちょっと鼻白んでしまった。確かに尺が少ないということだけれども、あまりに説明が無くてまるで同時上映の短編『仮面ライダーセイバー』のようにCGアクションだけで内容の無い話かと思ったくらいだ。
特に冒頭と中盤で描かれる仮面ライダーエデンとの戦いはこれまでならラスボス戦並みの戦闘なので後半はどうするんだ、と心配になったくらいだ。ところがさすがにTVシリーズで見事に物語を収束させたスタッフだけあって、このトリッキーな展開も実は60分という上映時間を逆手にとって一気に物語をクライマックスに持っていたうえで後をリアルタイムで群像捜査劇を行なうためだったのだ。エイムズ班とサウザー班、不破と迅コンビ、そして滅などそれぞれが自身がAIだったりAI機器を持っているので情報が共有できるという強みによって全くアクションのない亡までもが最前線にいる緊迫感がある。
中盤で明かされるエスとその配下の意外な正体と、そして人間でもAIでもないけれどもそれぞれについての確かに敵としか言いようの無い存在の薄ら寒い恐怖感。
後半まではその他のメンバーの活躍が目立っていたけれども、エスの正体が判明したときに、始めて或人とイズの関係性がフィーチャーされ、TVシリーズ最終話の後の二人の関係性が浮かび上がってくる。エスが「俺の気持ちが判るか!」と或人に詰め寄ったときに観客は「或人には判ってるんだ!」と声援を送りたくなってしまう。
最後の戦闘もドライバーに対してキーが互いに交換可能であるという特徴を生かしてのなかなか興味深いアクションだった。しかし、なんと言っても昨年の映画、TVシリーズ、そして今回の最終作と全てラストシーンは或人とイズで終わる。なんてハッピーな作品なんだ!
劇場版 仮面ライダーゼロワン REAL×TIME
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