『トワイライトゾーン#3 巻き戻し』
<ストーリー>
黒人のシングルマザーのニーナは大学に入学する息子のユリウスを車で送って行く途中をハンディビデオで撮影していたが、そんな二人に警官が尋問をしてくる。執拗な警官の態度に腹をたてたユリウスが・・・
<コメント>
『トワイライトゾーン』の魅力というのはホラーであり、SFファンタジーであり、そしてなによりも根底に社会批判を秘めているところにある。
今回の話はそのすべてをクリアしている力作。ハンディビデオカメラを巻き戻すと同時に時間が巻き戻ることに気がついたニーナ。そして何度やり直しても執拗に二人に言いがかりをつけてネチネチと嫌がらせをしてくる白人警官。
前回を警戒してやり直すのだが、一層悪い展開になっていくところがこういったドラマのパターンであるけれども、そこからどうやって抜け出すのかがまた新しいパターンを作り、さらにクライマックスにおける対決ではなんとそのアイテムの意外な、そしてよく考えたら本当の使い方をしてこれには感心させられるのだ。そしてさらに、そこであまりに今日的なテーマであるブラック・ライブズ・マターが真正面からが生のまま呈示されるのもちょっと驚いてしまった。そう、確かにサーリングの『トワイライトゾーン』はそういった問題を寓話的、かつ直接的に描いてきたのだ。
ただ、それも含めて感動的に締めくくるところに新しいトワイライトゾーンを感じる。
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