料理が好きなタモリが言った。
「料理はシンプルなのがベスト」
私自身はそう言い切れるほど手の込んだ料理を食べた経験は多くないので「そんなものですかい?」としか思いようがなかった。
しかし!
椿山荘で妹とランチをした時にそれを痛感した。
私はランチのコミュの管理人をしている。
広くいろんな人に参加していただきたいと予算は3000円前後。
胃弱体質で食が細い私は「元が取れない」という貧乏人のサガ故に、それ以上の予算は組めない。
ところがこの椿山荘は一番お安いのがイタリア料理のお店の\5500
そりゃあ「やめて♫お金がないなら〜」と誰かの声が聞こえてくる金額だけど、こういうのも「経験」
その一番安いコースのランチに妹と出掛けた。
シャクなことにホテルからのシャトルバスもないためにタクシーで行く。
その時点でコミュでは利用できないと結論。
椿山荘は丘を丸ごと緑の公園にしてその中にあるようなホテルである。
広く厳かなまでに静かなロビーは高級感が漂い、迷いながらどうにかレストランにたどり着いた。
ところが「やがて出された料理はどれも美味しく…」と書けないのである。
口に合わないということなのだろうが、どうして本場のパスタはあんな固茹でなのか不思議で仕方がない。
リゾットも焚きかけで半分お米のような固さ。
なぜ日本人好みにおかゆのようにできないのかと思う。カレーだってそうやって定着したのに。
おまけにメインときたら
「カマスと帆立貝のパートブリック包み ゴルゴンゾーラと無花果のフォンドゥータ 」などという手の込んだものだったけど、これはもっと私には困った料理だった。
値段が3000円前後だったら「一度だけなら許してあげる♫」
だけど5500円なら「両手をついて謝っても許してあげない♬」
ところがさすが椿山荘。
食後、眼下に見える広い緑の木々の間から白い煙のような、湯気のような物が黙々と湧き上がってくるのを見て思い出した。
数日前にこのホテルでは人工的に雲海を作っているとテレビでやっていたのを。
早速、雲海を堪能しようと妹と庭園に降りる。
長いパイプの等間隔に開いている穴から数分おきに霧が出る仕掛けがあって、近くに行くと涼しい。
何でも夏は蛍も見られると言う。
ここまでの広い庭園のホテルは都内には少ないはずだ。
そうか。お料理のお値段にはこういうものも含まれているのね。
わかったわ。お高くても許してあげる。
それにしても私もこの経験でやっと断言できるけど、タモリが言ってたようにやっぱり料理はシンプルな方がいい。
そもそも私が一番好きなのも「人を食う」と言う至ってシンプルなものなんだし…
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