mixiユーザー(id:411965)

2020年09月21日01:43

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「ヴァイオレット・エヴァーガーデン」映画

『ヴァイオレット・エヴァーガーデン』
<ストーリー>
 別の世界のヨーロッパのとある街の近代。祖母の葬式から帰ってきた少女デイジーは仕事に没頭する母親とのうまくいかない関係にいらだってきつい言葉を投げかけるが、祖母の形見の中に数通の手紙を見つける。それはかつて曾祖母から祖母への手紙だった・・・
<ストーリー>
 正直に言うと、ラノベの完全なメロドラマで『マイフェアレディ』と『ひまわり』みたいなストーリーだけ読んだら辟易したと思う。こんな話は大嫌いだ。しかし、それをあえて観に行ったのはやはり京都アニメーションの作品だから。
 それで大画面で見たらやはり圧倒され、感動してしまった。見ている最中にボロボロ涙が出てきた。それはなによりも全てを「画面」、この場合はアニメーションによる画面の持つ力に圧倒されたと言ってもいい。特に京都アニメーションの持つ画面や背景の隅々まで行き届いた作画の力による。よく、大監督が納得できる画面になるまでフィルムを回したり、背景を処分したりするという逸話を聞くが、アニメーションならそれが実現できるのである。
 脚本の吉田玲子もそれを判っているからか、陳腐なメロドラマになりそうな状況説明や真情吐露のセリフはあえて全て削って遠景による口の動きと表情で表現するようにして人物の心情やキャラクターを現すものだけに留めているのだ。
 構成自体も良く出来ていて、まず近代から始まって祖母への代筆した手紙に興味を持った少女デイジーがその手紙を書いた女性の足跡を訪ね歩く、という形にすることでTVシリーズ未見の観客にヴァイオレットの物語に素直に導入させ、さらに今は博物館となった元郵便会社の建物を共有することでデイジーの物語とヴァイオレットの物語をリンクさせ、それが最後の瞬間のあるもので完全に同一化されるというところが巧い。これを最後まで見せないのも巧いなあ。もう観客はそれが見たくて見たくて仕方がないのだから。
 実はTVシリーズは画面は綺麗だったけれども、甘々のストーリーにあまり良い視聴者ではなかったけれども、大画面で展開する京都アニメーションの「アニメーションとしての迫力と演出」にはもう脱帽するしかない。

劇場版 ヴァイオレット・エヴァーガーデン
http://mixi.jp/view_item.pl?reviewer_id=411965&id=5022747
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