mixiユーザー(id:1833966)

2020年08月16日05:43

58 view

中東の小さな大国イスラエルと石油大国=富裕国のUAEがトランプ政権の仲介で電撃的国交樹立の衝撃

 真夏の中東に激震が走った。13日、イスラエルとアラブ首長国連邦(UAE)が国交樹立するという。大統領選挙を控えるアメリカのトランプ大統領が仲介した。

◎イスラエル、UAE、トランプ大統領の3者にメリット
 イスラエル=UAEの国交樹立は、3者にとってメリットをもたらす。イスラエルは、敵対視されるアラブ諸国の中で3番目の国交正常化した国=味方を持つ。しかも、その国は豊富なオイルマネーを持つ中東有数のの富裕国だ。UAEは、脱炭素=脱石油の世界的潮流の中、国内に分厚く堆積された豊富なオイルマネーの、絶好の投資先と技術支援先を得られる。
 トランプ大統領は、当然に秋の大統領選挙に大きな得点を稼いだ(写真=両国の国交樹立発表で満面の笑みのトランプ大統領と両国間の交渉を担ったクシュナー上級代表)。アメリカで政治的影響力の大きなユダヤ系とイスラエル絶対支持のキリスト教福音派の票をがっちりと固められる。

◎UAE:科学技術大国への展望
 さらに分析を深めれば、UAEが最も大きなメリットを得たかも知れない。ともかくイスラエルの科学技術力、とりわけIT技術力は魅力だ。イスラエルには、投資資金を求めるスタートアップ企業がごまんとある。そこに投資し、ついでにその技術を国内に導入できれば、UAEは中東1の科学技術国家になれる。
 その意気込みは、この7月に日本のH2Aロケットで打ち上げてもらった火星探査機「アル・アマル」でも分かる(写真)。「アル・アマル」は火星への軌道に乗った。アラブ初の偉業であるばかりか、世界でもアメリカ、旧ソ連、インドに続く火星探査国となる可能性が高い。
 さらに、戦略的にはペルシャ湾を挟んで対峙する対イラン包囲網を固められる。

◎イスラエル:対イラン包囲網、パレスチナ孤立化にさらに一歩
 イスラエル(写真=エルサレムの嘆きの壁で)の狙いも、まさにここにあった。核こそ持たないもののイランは、イスラエルを直撃できるミサイルを保有する。そのイランは、今、密かに核開発を目指している。UAEに大使館を開ければ、対イランの諜報力は飛躍できる。
 イスラエルにとって、さらに宿敵パレスチナを孤立化にもってゆけるメリットもある。パレスチナ自治評議会は、今回のイスラエルとUAEの国交樹立を事前に知らされていなかったらしく、発表のニュースを聞いて首脳陣は地団駄踏んでいる。
 イスラエルは、これでアラブ諸国の中で、1979年のエジプト、1994年のヨルダンに続いて3番目の国交正常化国を持つに至った。
 その先には、中東=アラブの盟主であるサウジアラビアとの国交正常化も視野に入れているはずだ。

◎サウジアラビアとの国交正常化も視野に
 今回のイスラエル=UAE国交樹立は、当然にサウジの後押しを受けた措置だろう。サウジは、この反響を観察し、よし、となれば、一気にイスラエルとの国交樹立となるかもしれない。
 サウジにとって、今はイスラエルよりイランの脅威の方が切実だ。湾岸諸国を、反イランでまとめるのに、イスラエルとの国交の重みは計り知れない。
 トランプ大統領にとっては前記のように大きな得点を稼いだが、それが大統領としての最後の大仕事とならないことを望んでいよう。

注 容量制限をオーバーしているため、読者の皆様方にまことに申し訳ありませんが、本日記に写真を掲載できません。
 写真をご覧になりたい方は、お手数ですが、https://plaza.rakuten.co.jp/libpubli2/diary/202008160000/をクリックし、楽天ブログに飛んでいただければ、写真を見ることができます。

昨年の今日の日記:「ファンケル創業者で高齢の池森賢二氏が見つけた自分が育てた会社のバトンタッチ法」

3 2

コメント

mixiユーザー

ログインしてコメントを確認・投稿する

<2020年08月>
      1
2345678
9101112131415
16171819202122
23242526272829
3031