〜Puff The Magic Dragon〜
教室の廊下側の壁背に立つ僕と妹姫の
正面左側に女王 正面右側に姉姫
女王の息に混じった赤い炎が透明感を帯びてきた
姉姫の背中の炎のような紫のオーラも透明になってきた
「あ有賀さん 二人とも発しているものの色が
透き通ってきたけど落ち着いてきたってことかな?」
圧倒的な迫力にびびり傍らにいる有賀さんの手を握りろうと
手を伸ばす
『違います』
慌てて手を引っ込める
『炎やオーラが透き通っていくのは感情の高ぶりが
マックスに近づいているからです』
それを聞いて怖くなってまた手を伸ばす
『♪パフッ ザマージックドゥラーゴン リーヴバイザッシー♪』
突然口ずさむように歌いだした有賀さんの歌声でまた引っ込める
同じ様に女王の炎と姉姫のオーラがすうーっと消えていく
姉姫が有賀さん‥いや妹姫を見て笑顔になる
《ふんっ》
女王が妹姫に一瞥をくれると 中庭側の開いた窓に向かい
だんだんと空中に体を斜めに浮かせて移動し
あっという間に窓の外に飛び出して校舎より高い空まで行くと
一瞬静止した後 ばっとあの黒いドラゴンに化身して
僕たちのいる三階の教室に向きを変え言った
《好きにするがよい》
姉姫と妹姫が窓際まで駆け寄り
『ありがとうございます』
の一言のあと
微笑みながら女王が見えなくなるまで手を振っていた
なんか夢の国アニメのワンシーンを観ているようだ…
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