今回は、「伊万里 染錦捻り文向付」の紹介です。
写真1: 外側面
製作年代: 江戸時代中期
口径:9.9cm 高さ:5.2cm 高台径:3.6cm
写真2: 内側面
写真3: 伏せた所
これは、3年ほど前に骨董市で買ったものです。
この向付に出会ったとき、ちょっとした感動すら覚えました(^-^;
気高く、華やかで、雅でもあります。小さいのに、凛とした存在感さえ感じたからです。
現代の高級食器に通じる、近代的な感性を感じさせます。否、むしろ、現代の高級食器が、この感性を模倣しているのでしょう。
江戸中期の高級食器の代表選手というところでしょうか。
今なら、5個組ならば、美術館入りというところですが、残念ながら、この向付は1個しか所有しておりません(-_-;)
なお、この向付の見込み(内側面の中心部)には、写真2からも分かりますように、太極図が描かれています。太極図は、陰陽太極図とか陰陽魚とも言われますが、時々、古伊万里には登場してくるようです。
また、この文様は、家紋にも登場するようで、平成21年8月10日付けの「茨城新聞」の「家紋歳時記」(高澤 等)というところに、この文様についての記事がありましたので、それを次に紹介しておきます。
「家紋歳時記」
陰陽勾玉巴(いんようまがたまともえ)
夏は怪談の季節。中でも四谷怪談は有名だ。お岩は御家人田宮又左衛門の娘で夫の伊右衛門とは中むつまじく、家計を支えるため商家に奉公に出た。田宮家は豊かになって良妻のかがみと評判になり、屋敷社はお岩稲荷として参拝者でにぎわった。その死後200年近くたち、お岩人気に目を付け創作されたのが四谷怪談である。東京・四谷の於岩稲荷田宮神社の神紋陰陽勾玉巴は田宮家の家紋という。広島、千葉に多い。
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