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2020年04月22日06:00

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原油価格が史上初めてマイナスに! 売り手が代金を払って買い手に引き取ってもらう? 大荒れとなった20日のニューヨーク原油先物市場

 先物価格とはいえ、原油価格が史上初めてマイナスとなったのは驚いた。
 それは、まさに「大暴落」だった。

◎306%安(!)の1バレル=マイナス37.63ドル
 ニューヨーク商業取引所で20日、5月物の原油価格が史上初めてマイナスをつけ、1バレル=マイナス37.63ドルで取引を終えた。実に前日比306%(55.90ドル)安の、歴史的大暴落である。一時は、マイナス40.32ドルまで下落した。
 マイナス価格は、生産者(売り手)が買い手に代金を払って原油を引き取ってもらう状態になっていることを意味する。かつて原油価格のバブル的高騰期には一時1バレル150ドルをつけた時があったことを思えば、今昔の感がある。
 背景には、武漢肺炎拡大に伴う需要の枯渇がある。

◎970万バレル減産合意も、実際の需給ギャップは倍以上
 先頃、OPECとロシアなどの非加盟産油国で構成する「OPECプラス」が5月から日量970万バレルの減産の実施で合意したが、この減産では不十分との声が高かった。航空燃料などの輸送用燃料需要の蒸発で、需給ギャップは日量2000万〜2500万バレルもあるとされるのだ。
 マイナスになったのは、先物特有の事情もある。5月物の取引終了日は翌日の21日で、それまで先物の買い持ちしていた投資家は、反対売買しないと原油の現物を引き取らねばならない。

◎原油の貯蔵場所が無い!
 ところがオクラホマ州クッシングの原油受け渡し場所の貯蔵施設(写真)は間もなく満杯になるとされ、買い手は実物原油を受け渡してもらっても貯蔵場所が無い。多くの石油会社は、原油を洋上貯蔵するためにタンカーを競って借りている状態だ。この保管コストが暴騰しているのだ。
 この状況下では、5月物先物を買い持ちしている需要家でも無いファンドは、投げ売りするしかない。まさに世紀末的な大惨事、である。
 5月物先物を目いっぱい買い持ちしていた原油トレーダーなら、破産しただろう。生きた心地もしなかったに違いない。

◎アメリカ、ロシア、サウジが話し合って大幅減産で合意するしかない
 ただ、まだ1カ月の余裕のある6月物は、暴落してもまだ16%安の1バレルプラス20.43ドルを保っている。
 しかし貯蔵場所の限界が近づいている事情は同じだ。
 市場の見方は、少なくとも武漢肺炎パンデミックが収束し、需要が戻るまで、「OPECプラス(世界第3位生産国のサウジアラビアと第2位のロシアを含む)」と世界第1位生産国のアメリカが協調して、さらなる大幅減産をするしかない、ということで一致している。
 しかし武漢肺炎は、株や債券、金に未曾有の大暴落をもたらしたが、原油をここまで直撃したのは、ただ驚きと言うしかない。
 この歴史的原油大暴落は、株式市場にも飛び火し、20日のニューヨーク株式市場はダウで592ドルの大幅下落となった。当然に、翌21日の東京市場にも波及し、日経平均は388.34円安の1万9280.78円で引けた。二番底の恐怖が近づいているのか。

追記 21日のWTIの6月物は、一時1バレル6ドル台と、前日の約3分の1の価格へ急落した。終値は11.57ドルだった。世界で原油の貯蔵施設が枯渇している事情が、期近が6月物に代わったため、暴落が6月物に移っている。

注 容量制限をオーバーしているため、読者の皆様方にまことに申し訳ありませんが、本日記に写真を掲載できません。
 写真をご覧になりたい方は、お手数ですが、https://plaza.rakuten.co.jp/libpubli2/diary/202004220000/をクリックし、楽天ブログに飛んでいただければ、写真を見ることができます。

昨年の今日の日記:「迷惑10連休を前に、春盛りの都心・浜松町の旧芝離宮庭園で安らぐ」

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