武漢肺炎のパンデミックによる移動制限などで、世界経済が急減速している。例えば発生元のスターリニスト中国が17日に発表した2020年1月〜3月の経済成長率は、前年同期比でマイナス6.8%だった。
これは統計を遡れる1992年以降初めてのマイナス、しかも大幅減だそうだが、僕はあまり信用していない。実態はもっとひどく、下駄を履かされた数字だと睨んでいる。それでもざまあみろ、いい気味だと思う。
◎「100年に1度」のあのリーマン・ショックも今や「優しい調整」
さてそのスターリニスト中国から世界に拡散した武漢肺炎は、ヨーロッパとアメリカ、さらに日本などの先進国経済も、破壊的状況に陥れている。
IMFが14日に発表した世界経済見通しでは、2020年通年で先進国はマイナス6.1%に落ち込むという。世界経済を引っ張るアメリカがマイナス5.9%、日本もマイナス5.2%である。
ただこの見通しは、パンデミックが今年前半にピークを迎え、後半には収束して経済も回復するという前提に立っている。パンデミックが後ずれするようだと、さらに数字は悪くなる。
これほどの世界経済の悪化は、1世紀前の世界大恐慌以来だ。あの「100年に1度の」と形容されたリーマン・ショックですら、翌2009年の成長率はマイナス0.1%に過ぎなかった。今にして見れば、リーマン・ショックも「優しい調整」に過ぎなかった。
◎大恐慌では世界のGDPは16%も縮んだ
では、世界大恐慌はどんなものだったろうか。
今、生きている人は、それを生で見ていない。しかし映画や書籍では描かれているが、IMFの推計だと実に16%も縮んだというのだ。
これは、まさに破壊的だ。街に失業者が溢れたのも無理はない(写真=世界大恐慌による失業者のデモ)。
世界大恐慌は、1929年のウォール街の歴史的な株価大暴落に端を発したものだが、破壊的な経済破綻で、1930年代まで長く不況は続いた。
今回の武漢肺炎も、世界大恐慌並みだとすると、今後10年は世界経済の低迷が続くのだろうか?
それは考えにくい。当時は、「世界の中央銀行」だったIMFもなかったし、世界各国が保護貿易に走った失敗の学習もある。各国中央銀行が、金融超緩和と流動性の確保を高めているからだ。
◎日本もGDPの10数%縮小の可能性
さて目を日本に転じれば、緊急事態宣言の全国化で、すべてのイベントや観光・旅行、外食などがほぼゼロになっている。都心も電車もガラガラで(写真)、今や都内で夜に食事をすることも無理だ。
政府や自治体が「不要不急の外出を避けて」と呼びかけているのだから、それも当然だ。ちなみに日本のGDPで「不要不急」による需要は、見方によっても変わってくるが、おおむね25%程度と見られる。これが1年間、そっくり無くなると、それだけでGDPを10数%も押し下げるだろう。
まさに破壊的な不況である。
それでも今からその事態に備え、耐えなければならない、生きていく限りは。
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