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2020年02月29日21:45

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飲酒の文化

NHKスペシャル「食の起源」で「酒」の回がありました。もともと有害成分(なので消毒薬として使える)であるアルコールを分解できるようになることで、食物の幅が広がって繁栄の一助となったものの、完全に無害な食品となったわけではないのは周知の通りで、しかしながらその有害作用も「人の結束を高める」という役割を与えて有効活用してしまったというのは正に災い転じて福となす、と言った感じです。最近、アセトアルデヒド(エタノールの分解過程で発生するアルコールよりさらに毒性の強い物質)分解酵素の働きが悪い=酒に弱い遺伝子がアジア人に広まったのは、稲作に適している反面、病原体の多い低湿地帯で生活するときにアセトアルデヒドの毒性が消毒薬として作用し、生存確率が高くなったからではないかとの説が提唱されたと言うことで、これは初耳でした。体調が悪い時に「アルコール消毒だ」などと言って酒を飲む行為もあながち間違いとは言えないことになるものの、調子が悪くなっても酒を飲まなければ効果がないわけで、個人的には医学の発達した時代に生まれてよかったと感じます。

以前聞いた話では酒(エタノール)は基本的に麻酔効果で気持ちよくなると言われていたと記憶しています。脳の抑制にかかわる部位を麻痺させることで開放感が得られるという説明です。この説を聞いて、飲んでも気持ちよくならない私は普段からの気配りの欠けた行動もあって、もともと脳の抑制機能が働いていないのではないかと考えたものです。しかし、番組とは別に最近知った情報では、エタノールの摂取によってやはり脳内で快楽物質が分泌されることが発見されたらしく、やはり酒もタバコと同じく、本質的に麻薬と変わらないようです。まあ、幻覚物質や麻薬が(利用者が限定されている場合も少なくありませんけれど)社会システムに組み込まれている文化も多々ありますからどうこう言う筋合いはないにしても、世の中にはそういう文化を「遅れた」「野蛮な」文化だと考える人が多いので、そう思うなら酒やタバコもさっさと禁止すべきでしょう。

酒を嗜好品として飲むかどうかはともかく、パンにしろ調味料にしろアルコールを発生する発酵は多いので、エタノールを完全に生活から排除するのは難しそうに思います。しかし、毒性にしろ変異原性(発がん性の指標)にしろ、そこそこ高い物質ですから、例え人類の発展に大きく寄与してきた物質だとしても、積極的に摂取するのは避けたほうがよいでしょう。酒は飲まなくとも、料理には使うし、発酵食品、調味料も使いますから、アルコールの生成を一切禁止されるというのは私も困りますが、イスラムの人たちはそういう中で暮らしているとのことですから、何とかなりそうな気もします。
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