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2020年02月14日23:03

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妄想物語

〜勘違いも恋のうち〜

小さい頃
恐ろしく大きなな丸い卓袱台でご飯を食べている時
僕はよくほっぺにご飯粒をつけていた
食事の時間は小さい僕にとって最大のイベント
ご飯がおいしくて
婆ちゃん母ちゃん姉ちゃん兄ちゃん何故か叔父さんと
一緒に食べるのが楽しくて
夢中になって食べているうちにほっぺにご飯粒がつく
するとそれに気が付いたいつも隣に座っている母が
『♪おべんとつけてどこいくのぉ
おおみやこうえん ひとまわりぃ♪』
と口ずさみながら僕のほっぺについたご飯粒を
親指と人差し指でつまんでぱっと口に入れる
それがとても嬉しかった

今さっき
クラスの僕の両隣で売店で買ったおにぎりセットを
外畑さんと外堀さんが黙々と食べている
基本的に昼食時は彼女達に会話はない
真ん中にいる僕がひたすらしゃべり続け
彼女達はたまに《ふーん》とか《そぉっすか》と
相づちを挟むだけ
食べながら話し続けていると
たまに彼女達のほっぺというか唇横にご飯を見つける
「おべんつけてどこいくのぉー」
と言うや否やご飯粒をさっとつまんで口に入れる
外堀さんは《あっ》と言って顔が瞬時に真っ赤になる
外畑さんは《ふっ》と言葉を漏らしてボクシングの様にかわす


有賀さんが教室の前の開け放しの入り口から入って来て
僕の目の前に佇んだ
彼女達を含む教室居残り昼食組(ほとんど女子)が
食事の手を止め一斉に注目する
『はいチョコレート
午前中の休み時間は教室移動が多くて渡せませんでした
昼休みがいいかななんて思って…』
そう今日はバレンタインデー
勘違い男たちは朝からそわそわしていた
午前中は表立って受け渡しのシーンがなかったので
有賀さんの行動は衝撃的
彼女はバレタインデーという習慣がない夢の国からの
留学生だからこの国の習慣に沿っただけ…
というのは百も承知の僕は妄想的勘違いをする
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