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2019年12月26日11:08

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12月21日 池袋演芸場下席昼の部 主任 三遊亭白鳥

 池袋年末恒例「富Qまつり」。昨年はクリスマスイブに参加したが、開場30分前に着いたら長蛇の列で驚いた。初日はさん喬休演だし・・・と甘く見ていたが、入場前の列ものすごく、開場後もぞくぞくと客が入り、開演時には立ち見もびっしり、その後も客が絶えず、最後には入り口のパーテーションを外して、扉が半開き状態になった。消防法的に心配だ!

●前座 ぐんま「初天神」
 今日の客は普段から白鳥の落語会に足を運ぶような、新作耐性のある客だからということなのか、前座なのに群馬ネタのマクラふりまくり。群馬と云えば今輔もよく「上毛かるた」の話をする。なまじ関東なだけに、独特な田舎さがネタになるのだろうね。「(自分も)新作落語を作っていますが、さすがに新作は・・・」ということで、そこは前座らしく古典。ただし露店が郡馬のソウルフード「焼きまんじゅう」。

●わん丈「母にマナーを」
 入門前、バンドのボーカルだったとき、予備知識なしに落語を見て、この人のところに入門しようかと考えたのが「たい平」と「白鳥」。「白鳥師匠のところに入門していたら、“三遊亭しが”になっていた」。噺は以前も何度か聞いたことがある、滋賀の実家のお母さんとの漫談のような会話を再現したもの。白鳥はともかく、たい平に入門を考えていた、というのは、この人の普段の落語からすると正しい方向性と思う。たい平の漫談力の凄さ、誰か後継者はいないものかと思っていただけに(門下ではないがたけ平もがんばっているとは思う)、わん丈には新作よりもその線を期待してしまう。たん丈と交替。

●天どん「これで払います」
 初めて聞いた噺。丈二と交替。

●文蔵「千早ふる」
 天どんから「この後に出てくる人は二日酔い」と云われた通り、普段以上に赤黒い顔で登場。毎度毎度ながら“とは”の説明は後に出てくる小ゑんに丸投げ。

●紙切り 楽一
 米粒写経が休演で、本来ヒザ前の楽一がこの番に。本日早くから入場列に並んでいた家族がいて、小学生の兄妹をめざとく見つけた楽一、大人のお題より先に子供からの「スターウォーズ」で切る。「どんな場面がいいですか?」と聞くと、お兄ちゃんが「金色のロボット」「・・・」。C3PO、R2D2、それにBB-8も並べて完成。出来上がりをうけとりに来た兄妹がポチ袋を楽一に渡したのに驚いた。寄席ファンは早くから育てないとね。

●小ゑん「鉄千早」
 文蔵の丸投げから「鉄千早」、始まれば立て板に水の鉄オタ小ネタが止まらない。小ゑんのツイッターで見た気がするのだが、これ五代目小さんの追善公演で「千早ふる」やる必要に迫られ、当代小さんから「鉄道千早でもいいからやれ」と云われた末のものなのだとか。最後には私服の文蔵も出てきて一緒に頭を下げた。

●小団治「ぜんざい公社」
 今月3回も聞くことになるとは思わなかった。さん喬の代演。

<中入り>

●粋歌「すぶや」
 この枠、女性落語家の交替出演。田舎の高校生カップルが上京するのしないのであーだこーだ言い争い。最後に女性が負け組になっちゃう・・・という無常感が良い。オチが弱いとも言えなくはないが、つき放した感じが嫌いじゃない。

●白酒「富久」
 トリの白鳥の「富Q」では、本来の「富久」があまりにも改ざんされているから・・・ということで、白鳥のツイッターによれば「急遽」白酒が今席通して「富久」を15分程度で演じてくれることになったそうな。その方が白酒も毎日何を演じるか考える必要がない、という気楽さもあるとか。しかし本日ネタ帳かぶりまくりですね。白酒の「富久」大好きなので嬉しいは嬉しいが、時間が時間なだけにバッサバッサと飛ばしていた。

●音楽パフォーマンス のだゆき

●白鳥「富Q」
 売れない頃、寄席出入りを止められていたころの白鳥の「私落語」。主人をしくじった幇間ではなく、席亭の怒りをかった落語家を主人公にして、当時のルサンチマンをぶつけまくった新作長講。「芝浜」でも「文七元結」でもなく、これで年末を〆るというのが池袋っぽくていいやね。いまや池袋びっくりガードには西武ホールディングスの真新しい社屋がそびえ、表向きは明るく見えるが、人と自転車が行きかう薄暗い通路は池袋らしい得体の知れなさをを残している。初日にロビーに溢れるほどの客入り、白鳥には嬉しいだろう。



今年心に残った高座。真打二つ目区別なく。

●小辰「井戸の茶碗」(1月 藤沢)
 もう以前ほど小辰に期待していない自分がいるが、巧いことには異論はない。
●圓馬「お見立て」(3月 末廣亭)
 開場、客質も含めて完璧な寄席だった。
●菊之丞「素人鰻」(4月 池袋)
 12月末廣亭の「長短」も忘れがたい。
●可龍「品川心中 上」(4月 池袋)
 日本橋亭ではちょっと駆け足だったのでこちらを。
●一蔵「短命」(5月 国立演芸場)
 自分的に「化けた」感あり。
●鯉八「長崎」(7月 池袋)
 もう今後が楽しみでしかない。
●小満ん「あちたりこちたり」(8月 池袋)
 他人の夢の話を聞かされているような浮遊感。
●志ん陽「壷算」(8月 池袋)
 真打に失礼だが、あくまでも自分的に「化けた」。
●小痴楽「湯屋番」(10月 浅草)
 祝昇進。
●文雀「小間物屋政談」(12月 末廣亭)
 池袋独演会の「付き馬」も素晴らしかった。もっと主任やらせてあげて。

それにしても池袋行き過ぎ。JRで一本だから仕方ないけど。

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