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2019年10月26日18:03

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リメイク奇跡な日々二十四「燃える」

「・・・ら・・・どら・・・」
誰かが誰かを呼んでいる。この声は・・・
「サートリ!」
カバッと身を起こしたらサートリの頭とぶつかり二人して痛みに身もだえる。
「ドラッ、へ」
ちょっと涙目なサートリが僕の名を呼んだ。その顔は申し訳なさげだった。
きっととっさとはいえ眠りにつくほど魔量を使ったことを後悔しているのだろう。
僕はそっとサートリを抱きしめると、
「サートリ、僕なんかを守るために命を投げうっちゃだめだよ。でもありがとう「ド、ラッヘ、いなく、なっちゃ、嫌」
サートリがしゃくりあげながらそう言った。
「そっか、ごめんね」
泣き出してしまったのでしばらく頭をなでて抱きしめていた。
すると、
「禁忌の子よ、奇跡の子を連れ逃げよ」
妖精女王フェアリークイーンの声がした。その声は焦っているようだった。
「どう、し、たの?」
「人が我らの森に火をつけた。狙いは奇跡の子だ。我らがここで引き留めておく、今のうちに逃げよ」
気配が消えると火の魔量の気配を感じ始めた。
サートリが気配の方へ走りだす。
「サートリ!」
僕の声に振り返らず走って行ってしまった。僕は装備をつけながら葛藤する。
どうやったら相手を殺さないかと。
もう遅いのに。僕はサートリのもとへ走った。
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