仕事、できるんだろうな

　門の前に立っているとき、とあるオキャクサンのオトウサンの方と、久しぶりに会った。

　もともと明るい印象の人で、きさくに挨拶してくれる記憶があった。

　ただ遠めには別人か？と思えるほどシルエットが細くなっていたんだ。

　以前と同じように明るい表情で、「おはようございます」とあいさつしてくれる。ずいぶんやせられたな、と思った。

　俺自身、体験があるがやせるときは案外やせるものだ(笑)。ダイエットが成功する人もいれば、病気とかの人もいる。

　俺がやせたときは、やっぱりけっこう心配した人もいたらしい(苦笑)。その後、ウェストのサイズももどっていないから、多少の増減はあるだろうけど、シルエットは維持していると思う。まぁ俺自身、ダイエットしていたわけじゃないんだけど。

　なので、黙ってスルーした方がいいかな、と思いつつも一応、声をかけてみた。

「ちょっとやせられましたか？」

　そういうとその人はうれしそうに笑って、

「わかりますか？ジムに行ったんですよ。4月あたりは腹、やばかったですからねぇ」
「ジムにに行って、そこまでやせられたんですか。すごいですねぇ」

　実際、けっこう細くなってたと思う。表情も顔の色つやもいいから、病的な感じはまったくない。

「まぁ、行かせてくれる妻に感謝ですね。ははは」

と笑って立ち去って行った。

　もともと明るい印象のある人だけどさ。ちょっと眼鏡をかけた糸井重里みたいな感じで、挨拶するときも笑顔で目をみてくれる。

　スーツを着ているときもみかけるから、会社員なんじゃないかと思う。どんな仕事かは知らないけど。

　ただ、この人はきっと仕事できる人なんだろうな、と思った。

　道端ですれちがいざま、笑顔で相手の顔をみて、かつ文章で話ができる人って、けっこうスキル高いんじゃないかな。「そうですか(笑)」とか、「いやぁ、まぁ(笑)」で会釈くらいして立ち去って行っても、別に不自然ではないと思う。

　ダイエット成功して、うれしかったというのもあるかもしんないけどさ(笑)。ただ、ふだんから明るい感じはあったし、今回が特例ということではないと思う。

　上司があんな感じで明るく接していたら、部下は安心して仕事できるんじゃないかな、と思ったのだ。あるいは同僚としても、安心感があるだろう。

　そう思うのは、俺の中に仕事とコミュニケーション能力が直結するものという意識があるからかもしれない。独りで黙々とする領域の仕事なら、コミュニケーション関係ない者ね。

　ときどきそういうお父さん、いるんだよね。さらっと話ができてそつがなく、自信にみちているように感じさせつつ、イヤミがない。

　そういう人が、一定数以上いてくれると、町内としては子供が安心できるんじゃないかな、と思う(笑)。