渋谷和宏著「日本の会社員はなぜ「やる気」を失ったのか」を読んだ。
日本の経済の停滞について語る本は、多い。
実際、もうダメなんじゃない?という気はするし。
本書によれば、日本の経済がダメになっているのは、企業の経営層がコストカット、賃金カットをマネジメントを勘違いし、結果として働く人がやる気を失ったことによるという話。
バブル崩壊、リーマン・ショック、人口に膾炙する不況イベントはあるが、そのたびごとに経営層はコストカット型のマネジメントに活路を見出した。
人件費は経費となり、可能な限り削ろうという見方が大勢を占めた。
年功序列型から能力重視にかわったなんていうが、その内訳は人件費カットに他ならない。
それが90年代から今に至る日本の会社経営だったのだ。
暗澹なる気持ちになるが、それは単純に経営層が悪いとも言い切れない。
上に従っていれば大丈夫、上の言う通りしていれば、悪いようにはならない。どうしても上に頼る気持ちが日本人は強いんじゃないかなあ、なんてことは思うのだ。
だから、カットされる側の社員自身が、それを正統だと思い込んでしまう。その中で必死に頑張って上に行ったとしても、同じことをやるだろう。もはやそれでは通じない、という状況に、今なってしまったのだろうな。
マネジメントを管理、さらにはコストカットと考えてしまった日本人の失敗だ。
本書によれば、マネジメントとは、語源をたどるとラテン語のマネス=手から来ていて、転じて手綱をとるということなのだという。
つまり、方向を示すということであって、日本人の多くが考えているような「管理」ではなく、「誘導」なんだね。
へぇ、と思った。
Googleでは管理職に求められるのは、
「明確なビジョン(展望)と戦略を示せる」
「専門知識を持った良いコーチである」
「部下の良き聞き手となり、円滑なコミュニケーションを実践する」
「部下のキャリア形成を支援する」
といったことなのだそうな。
なるほどと思うと同時に、自分がどこまでできているか、考え込むところではある。
本書では、日本の会社員がやる気を取り戻す方策として3つを挙げていた。
1、社員に報い、社員に投資する
2.社員を信じ、加点主義で評価する
3.起業家タイプのイノベーターに活躍の場を
いろいろと考えるヒントを与えてくれる本だったと思う。
悪いところばかりじゃなく、現実に今動いていることについても挙げてくれていただけ、暗いばかりじゃないと思えるのはよかった。
そんな本を読んだあとだから、でもないんだけど、日曜日、二子shu-3と遊んでいて、思ったことがあった。
キューブ上の積み木を組み合わせて、ビー玉を転がすcuboroという遊具をご存じだろうか。
穴やルートが彫られていて、組み合わせてビー玉がうまく転がったりするとけっこう楽しい。
組み合わせによって、見えないルートを転がったり、ひょっこり出てきたりするのも思案のしどころ。
一旦、俺が組んでやってみせると、shu-3も考え込んで作り始めた。
いや、そんな雑な組み合わせ方だと、ビー玉転がんないから。
しかも、穴の組み合わせがルートになってないし。
セオリーとしては、ルートが切られたところを転がるんだけど、
穴から、そんな都合よくビー玉が転がってきて、ポトンと穴に落ちるとは思えない。
それじゃ、ダメだろうと言おうとしてやめた。
「これ、うまくいくことあるんだよ」
楽しそうにいうshu-3をみていると、こういう傍からみて、絶対ダメだろうと思われることも、やってみるところにイノベーションっていうのは生まれるのかもしれないなぁなんて思ったのだ。
遊びなんだから、セオリーなんて気にしなくていい。
ビー玉を転がして、キューブの穴から出てくる。
キューブの中の穴を通じて、ビー玉が転がり出てきたけれど、さすがに都合よく次の穴に転がっていく、とはいかなかった。
「おかしいな」
何度も何度も繰り返していたけど、遊びって、そういうものだよね。
セオリーを崩すのも、また楽しいものなんだからさ。
一見、バカだなぁと思うことを自分で体験する時期というのも、大切な時間だよね。
さて、最後に模型コーナー(笑)。
ファインモールド1/48 サボイア S.21後期型。
木の部分の塗装をしました。
クレオスのウッドブラウンを吹いています。まだかどっことか薄いですね。
もう一回かな。
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