人生の中で、一番本を読むのって幼児期なのかもしれないな、と思った。
大人になってから読んだ本の中で、どれだけ気に入ったとしても、ばらけるほど繰り返し読んだ本はないから。
バムケロシリーズの一冊。現状で一番最後に出た「バムとケロのもりのこや」をのぞくと、すべて独身時代に買っていた本だ。
絵もお話も楽しくて、30代後半の俺がしばしば読み返した。そうそう、粘土でフィギュアまで作ったんだっけ(苦笑)。そのあたり、10年近く前の日記を振り返ると出てくるはずだ。
だからって、ここまでボロボロになったのは俺がそれだけ読み返したから、ではなく、また古本で買ってきたからでもない。
たしか3歳か4歳くらいになった一子shu-2が、あまりにも繰り返し読んでとせがむので、ここまでになってしまったのではなかったっけか。
図書館の本か、という傷みようだけど、俺とshu-2、それに最近になってshu-3が読むようになったくらいなんだよね。
実際に読み聞かせているのは俺だから、それほど乱雑に扱っているつもりはない。
一番読んでいた時期、shu-2はこの本を一日に5回も6回も読んでくれとせがんだのだった(苦笑)。それが一ヶ月くらい続いたと思う。なんでそこまで言えるかっていったら、夏休みのシーズンで、俺の帰りが早かったからだ。
夕方帰るとそのたびにshu-2が
「これ読んで」
とせがみ、一回では終わらないという日常がしばし続いた(苦笑)。おかげでこの本の半分くらいは、今でも暗唱できる。
「いっしゅうかんのまんなかのすいようび いつもはねぼすけのケロちゃんが けさはちょっとちがう」
ってね。
最近、3歳になっているshu-3もこのシリーズを読んでくれとせがみ、開いてみるとけっこうな傷み具合(苦笑)。バラバラになるのも近いだろうなあ。
と思って、本の修繕に挑戦することにした。
『ルリユールおじさん』なんて絵本も読んでいるけど、そこまで本格的にはできない。
少しカッターで切り開いて、本の背中に模型で使っているエポキシ接着剤を塗り付け、切り開いた背中を戻す。
重しをつけて数時間。
バラバラになりかけていたものは、うまくまとまったんじゃないだろうか。
ちなみに前述のルリユールとは、もう一度結びつけるとかいう意味だとか。
『ルリユールおじさん』という絵本は、フランスの町中で、図鑑を読みすぎてバラバラにしてしまい落ち込んでいる女の子が、ルリユールという本の修繕をするおじいさんと出会い、本をなおしてもらうという話だ。フランスが舞台だから、翻訳絵本かと思ったら、日本の作品だった。たしかに絵がちょっとアニメっぽかったけど(苦笑)。
メンディングテープとか使って、背中をもう少し補強するかどうかは悩むところ。俺、素人だしテープは古くなると汚くなりそうだからなぁ。
なんとかバラバラにならずに補修することができた。
よく図書館で絵本を借りる。本屋さんで買ってくる本とはちがい、本には傷みがある。漠然と、不特定多数の人が読むと乱雑に扱われるよねとか思ってたけどさ。そういう部分がないわけじゃないだろうけど、それだけじゃないのかもしれないな。
何度も開かれ、読まれている本はどれだけ丁寧に読んでいたとしても、やっぱりばらけて、傷みが出てくるものなのだ。であれば、本の傷みはどれだけ多くの人に愛されたかという印かもしれないね。ちょっと情緒的だけど(苦笑)。
shu-2に読み聞かせて、この本がどんどん傷んでいったとき、同じ本を買って自分の保管用にしようかな、と思ったこともあった。好きな絵本だしね。でも同じ本を買ってきたとしても、shu-2やshu-3、それに自分で読んだ時間がそこに刻まれているわけではない。
傷みは傷みとして、ともに過ごした時間ごと大切なものなのかもしんないなぁ。
まぁ、バラバラになったら困るんだけどね(苦笑)。
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