mixiユーザー(id:11645280)

2019年10月04日06:18

198 view

落語の徒然(櫛)

くっつくも「櫛」別れるも「櫛」のお江戸の夫婦
江戸時代、初デートの時に贈ってはならないもの、それが櫛であると申し上げましたが、なぜかといいますと、櫛を贈ることは「求婚」を意味したからでございます。
仮に一目ぼれでございましても、初デートでいきなり「嫁になれ」は野暮というものでございます。
で、なぜ櫛がプロポーズの意思表示かと申しますと、くし=苦死、始終苦しむ、とかに当てまして、所帯を持つことは、苦しいこと、それでもいいのか?
という意味合いがあったようです。
有名な諺に「結婚は人生の墓場」というのがございますが、江戸っ子たちは、結婚の真実を読みきっていたのでございましょうか。
でも女性達はいつか櫛を受け取る時がまいりますが、身分の高い人か大金持ちの嫁にならないかぎり、実は「女房殿、ほとんど料理もせず、煮売り屋でおかずを調達し、時には若き男と酒を飲み、近所の女と亭主の甲斐性のなさを嘆き」、などと書かれている文献もございまして実に気楽に暮らしていたようでございます。
やがて、どうにもこうにも旦那に愛想が尽き果てますと、やおら、あの「櫛」をポンッと旦那に投げ渡すのであります。
これ「別れてね!あんたとはおしまい!」の強烈なサインでございます。
求婚の意思表示も離婚の意思表示も、くしくも「くし」でございまして、時代劇などで、鏡の中で、櫛を手に髪をすく女の姿の大写しなど男どもにとりましてどことなく、そら恐ろしく思えるのでございますが。
櫛の名産地に木曾の奈良井宿のおろく櫛が有ります、黒髪は女の誇り櫛で透き艶を出します。男をろうらくするのにも黒髪の残り香、ところが後ろ姿が良く正面にまわると今一な女性を鼓の掛け声と呼ぶ事もexclamation
落語ネタ「三年目」「引っ越しの夢」
1 0

コメント

mixiユーザー

ログインしてコメントを確認・投稿する