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2019年09月03日21:36

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俺の夏休み2019〜前編・茨城と浜通り(ひたちBRT第2期区間)

初日(8月20日)のメイン、ひたちBRTの第2期区間試乗です。

ご存知の方も多いでしょうが、2005年3月末限りで廃止された日立電鉄線の廃線敷をバス専用道路に転用し、BRTとして活用しているのがひたちBRTです。

ここで現在までの経緯を振り返ると…。
日立電鉄(当時)などから寄付等により廃線敷を取得した日立市は、2009年3月に廃線敷全体の活用方針を定めた「日立電鉄線跡地活用整備基本構想」を策定しました。廃止区間のうち鮎川駅〜久慈浜駅間8.5kmについては、公共交通専用空間として整備することが打ち出され、これを受け2010年度に学識経験者や交通事業者、公募による市民委員などで構成する検討委員会を設置。対象区間にBRTを導入するための基本的な方針として「新交通導入計画」を2011年1月にとりまとめ、同年10月に第1期区間の着工に踏み切りました。

2013年3月25日、第1期区間(おさかなセンター〜大甕駅東口の約3.2km、うち専用道区間は南部図書館〜臨海工場西の1.3km)の運行を開始。
2018年3月26日には、運行区間を常陸多賀駅まで延伸。
同年10月には、自動運転バスの実証実験「ラストマイル自動走行の実証評価」が実施。
第1期区間では1日あたり概ね500人前後の利用があるとか。

そして今年4月1日には、第2期区間(専用道区間は臨海工場西〜河原子の4.8km)が開業。運行区間も、おさかなセンター〜大みか駅西口〜多賀駅の8.6kmに改められました。
それまで日立電鉄交通サービスが運行にあたりましたが、5月1日付の合併で現在は茨城交通(日立オフィス)の運行となっています。
今後、鮎川駅までの全区間をBRT化し、一般道経由で日立駅への乗り入れを目指します。
https://www.city.hitachi.lg.jp/shimin/014/001/003/index.html

2016年3月に策定された日立市地域公共交通網形成計画(2018年10月に変更実施)によると、「今後、常陸多賀駅以北の延伸について、都市構造や土地利用と整合したルートを具体化していく」との方針が示されています。
https://www.city.hitachi.lg.jp/kotsukaigi/page/koutsuumoukeikakukaitei.html

一方、第2期区間の開業に合わせて実施されたダイヤ改正では、ひたちBRTを主軸としたバスネットワークの再編にも着手。新設路線の金沢団地〜大甕駅東口線【38】(平日5往復)では、金沢団地や台原団地・みかの原団地方面から水木でのBRTへの乗り継ぎに配慮したルートが組まれました。
http://www.mlit.go.jp/common/001289607.pdf

まちづくりとの関連では、ひたちBRTを日立市の新たなまちづくりの基軸として機能させ、交通機能の向上及び沿線地域の活性化を図る目的で2014年9月に「ひたちBRTまちづくり計画」を策定。公共交通を軸とした土地利用や公共公益施設の配置を推進することが示されています。
http://www.city.hitachi.lg.jp/kotsukaigi/003/p050502_d/fil/4.pdf

また、2016年度から3ヶ年にわたり地方創生推進交付金を活用した「ひたちBRTによるコンパクトシティ形成事業」では、ひたちBRT を活用した公共交通ネットワークの充実を図るとともに、ひたちBRT沿線への居住を促進するなどの将来に向けたコンパクトな都市構造とすることも目論まれました。ひたちBRT沿線土地活用計画や立地適正化計画の策定などが事業に盛り込まれました(立地適正化計画は未策定の模様)。
http://www.kantei.go.jp/jp/singi/tiiki/tiikisaisei/dai40-2nintei/plan/098.pdf

いずれも、拠点等への生活利便施設の集積や集合住宅の立地誘導、BRT沿線への住み替えの支援などが具体策として示されているようです。

いつものように御託並べが長くなったところで。
今回は、新たに開業した第2期区間の大みか駅西口(学園前)→多賀駅前を試乗します。
この区間では、平日で大甕発66本・多賀発71本(朝5〜10分おき・日中20分おき)、土日祝で大甕発30本・多賀発32本(終日30分おき)が設定されています。
なお、第1期区間は2013年9月15日に試乗済み。
https://mixi.jp/view_diary.pl?id=1912313649&owner_id=23509930

大みか駅西口バス停は、西口駅前広場に設けられたバスターミナル内にあります。
しかし、ターミナルの整備工事は完成しておらず、バス停は上屋のない暫定的な位置となっています(来年3月までに完成の予定)。
https://www.city.hitachi.lg.jp/shimin/014/001/002/oomika-seibi2.html
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試乗対象のダイヤは、おさかなセンター16:49発→多賀駅前17:19着。
大みか駅西口は17:00発です。
前後のダイヤはいずれも大みか駅西口始発の便で、前便は15分前・次便は10分後。

ターミナル手前に設置された一般車侵入防止用のバーが上がり、「うみラピッド」こと水戸200か1917(日野ブルーリボンハイブリッド・2SG-HL2ANBP)が姿を現します。
定刻から4分ほど遅れての到着。
一般道区間で混雑に巻き込まれたのか、それとも客扱いに手こずったのか。
車内からは、沿線の日立商業高校と思われる女子高生が大勢吐き出されます。
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出発したバスは、ターミナル構内からそのままバス専用道へ。
右にカーブしながらJR常磐線をオーバークロスする様は壮観で、海外の本格的なBRTを彷彿とさせます。

次のバス停、泉が森へ。
1車線分の専用走行路が続き、途中のバス停など随所に待避所が設けられています。
鉄道廃線敷を活用した国内の他のBRTと同様、速度はあまり出せません。
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上屋の整備された泉が森バス停。
液晶モニターによるバスロケーションシステムが装備されています。
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一般道と並行。
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水木(BRT)→寺方の間。
横断歩道の前後に設けられた侵入防止用バーが開きます。
前方に見えるバス停ポールは、一般道側の南久保バス停。
隣り合う形でBRTの寺方バス停が設置されています。
一般道側にバスベイが設けられている関係で、専用走行路は右へ左へとうねるような構造。
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大沼(BRT)バス停付近でしょうか。
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河原子(BRT)を通過し、専用道区間はここまで。
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あとは一般道区間を進み、多賀駅前に到着です。
駅舎の前にも、運行情報などを案内する液晶モニターが設置されていました。
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利用状況。
平日の夕方、帰宅時間帯に入ったばかりということで高校生の利用が目立ちました。
勤め帰りらしき人の利用は少なかったです。
専用道区間で乗車がみられたのは、磯坪のみ。
沿線地域が住宅街主体というのも関係しているのでしょうか。

大みか駅西口(学園前) -17 +4(車内の乗客数7人)
泉が森 -2
水木(BRT) -1
寺方 0
大沼小学校東 0
大沼(BRT) -2
磯坪 +3
河原子(BRT) 0
*ここまで専用道区間
河原子交流センター入口 0
東多賀町 0
河原子中学校入口 0
泉町 0
多賀駅前 -5

第2期区間を並行するJR常磐線の大甕〜常陸多賀間は4.6km。
同線を補完しつつも、日立市の基幹公共交通軸としてその機能が遺憾なく発揮され続けることにこれからも期待したいです。

日立市ではほかにも、興味を惹く公共交通政策が。
利用者の減少によるバス路線の廃止・縮小等が予想される地区において、住民と運行事業者とが協定を締結して乗車促進活動を行い、行政がこれを支援する「パートナーシップ協定方式」。
ほかにも、日本版MaaSの実現に向けて先行モデル事業として実証実験が年内に行われる「日立地域MaaS実証実験」など。
いずれも詳細に触れるとレポが長くなるので、興味のある方は各自調べて頂けると…。

最後に。
1日目の日記でも触れた茨城交通の小沢線、日立電鉄線の代替路線だったのですね。

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