〜オウガ・バトル〜
イントロが終わって
ヘビイなギターからボーカルに移る１分過ぎ
僕の目の前のカウンターのマスターもどきを
見据えながら店の奥のスペースへ後ずさりで進むと
人のお尻に当たる感触があった
『あっ…』
女性特有の想定外の時に発する声が接触と同時に聴こえた
はやちゃんのお友達の蝦夷さんに違いない
「やあ蝦夷さんお久しぶり 逢いたかっ………」
僕がそう言いながら振り向くと
目の前にいる人物が蝦夷さんではないことに
ていうかほど遠いことに気が付き
男性特有の想定外の時になる絶句をした
《いらっしゃーい
残念ね こっちの席はぜーんぶ満席なの》
ぜーんぶ と 満席の満 って かぶってないか？
なんて瞬間思ったけどツッコミを入れる間もなく
《あんたと戦う女性はあっち》
と今僕が入って来たカウンター席を
閻魔帳みたいなノートで指示した
そしてオウガ・バトルはボーカルも終わった２分過ぎ頃
ギターの間奏に入った
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