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2019年08月15日00:24

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妄想物語

〜彼らなりの気配り〜

日曜日の校門前
林さんは比縄さんとの待ち合わせ時刻の
10分前に着いた

『少し早すぎたかな…あれっ?っ校門が開いてる』
林さんは迷わず構内に入り
そして正面にある校舎のアーチ状の入り口をくぐり
中庭に面した教員室の引き戸を開けた

『おはようございます』

「おっ林か
そう言えばお友達‥えーっと名前なんてたっけ?
とにかく学園祭準備に気合が入っていて
1時間も前に登校したからもうとっくに入れたよ
なんか二階に行ったぞ」
日直の先生は名前を覚えてないと言う引け目を感じ
林さんに早くここから居なくなって欲しい感みえみえで言った

『はいっ』
林さんは当直の先生の引け目を感じることなく教員室を出た
〈なんだ日縄さんたらもう階段の踊り場に行っちゃったんだ〉
そう呟きながら二階と三階の間の踊り場を目指して階段を上った

番人1《おいっ!?》
夢の国の番人達は妹姫がこの世界に留学している手前
日曜も踊り場でステンドグラスに仮装している…
ていうかそのまま張り付いている

番人2〜5《なんだ 何だ なによ ん?》
神妙な面持ちの番人1に反応する

番人1《なんか一階で生徒の気配がするんだけど‥》
番人3《今日は日曜よ!気のせいじゃない?》
番人4《うん するする しかも女子》
番人2《おまえ相変わらず女子の気配には敏感だな》
番人4はどや顔になる
番人3《いやらしいー》
番人4《お前の気配はナノレベル》
番人4が反撃に出る
番人5《ええ ワタクシはナノなの オホホホ》
番人5が余計な一言を言ったが為に二階と三階の間にある
踊り場が騒然となった

『あーっ!?』
階下での気配という番人1の直感により五人とも
二階の辺りに注意が走っていたところに
三階の廊下の階段入り口付近から自分達がいる階段の踊り場を
見下ろす形で林さんが驚きの声を上げた
林さんは番人達が居る階段の一つ隣の教員室横の階段を上がったので
一気に三階まで行ってしまい 廊下伝いにこの階段の最上階から
見下ろす形になってしまったのだ

番人1《や ヤバイ 俺達 男子を驚かしてなんぼだし
みんなあ 静かに静かにジーとしてくれ……
手遅れだ バレたっ あの子の目が点になって放心状態になっている》

番人3《そーでもないみたいよあの娘の目線の行き先を見なさいよ》
番人達は林さんの目線が自分達の上を通り越してるように思えてきて
皆中庭側に振り返った

中庭を挟んで向かい側の校舎の二階の廊下に
筋肉見本の二人と一緒に天上を見上げながら移動する比縄さんを見た
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