「ワイルドライフ」

個性派俳優ポール・ダノの初監督作品で、壊れゆく家族の姿を14歳の息子の目線で描いたアメリカ映画です。
舞台は1960年代、カナダとの国境に近いモンタナ州の田舎町。
引っ越して来たばかりの14歳の少年、ジョーは父と母のもとで、穏やかな日々を送っていました。
しかし、父が突然解雇されてしまいます。職探しがうまくいかない中、解雇撤回の知らせが来ますが、父は耳を貸さず、山火事を食い止める出稼ぎ仕事に旅立って行ってしまいます。
ジョーは大好きなフットボールをやめ、写真館でバイトするようになります。
専業主婦だった母は、職を見つけて働き始めますが、次第に濃い化粧で着飾って出かけるようになっていきました。
家計より自分のプライドを優先してしまう父もですが、母の変貌もひどいものでした。
再会した両親でしたが、また一波乱。
大人になれない両親だったから、ジョーは早く成長しなければいけなかったのかもしれません。「僕は二人から、人生のすべてを学んだ。」というキャッチコピー、なるほどです。
チラシの写真の背景も最後にわかりますが、希望がほのかに見えるようでした。

キャリー・マリガンとジェイク・ギレンホールが夫婦役を演じ、ジョーを演じたエド・オクセンボールドも好演でした。