『朝顔の日』
高橋弘希著。TBで入院する妻を隔離病棟に見舞う夫。徐々に妻の病状は進行してゆく。日々の情景を静かに綴る筆致が美しい。医師との会話も情景に溶け込むようで。情景から心情も映される。昭和16年の設定。TBは結核のことのようで。
「奔る男」
堂場瞬一著。金栗四三の新聞小説終了で。エピソードを削り、マラソンの試合シーンのクローズアップしたそうで。普通なら逆に一番に削りそうな走る描写。でも著者も持ち味ははここでこそ。著者のスポーツ小説での、三人称なのにまるで一人称のような体感表現はとてもいい。
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