アニメ「青春ブタ野郎はバニーガール先輩の夢を見ない」最終話

少しひねった台詞回しは興味を惹くのに十分なシリーズだった。各エピソード毎の
ゴール地点が予定調和であっても、イレギュラーな会話パターンが凌駕してしまうので
飽きることがなかった。
ラストエピソードであるところの記憶喪失の妹編では、型に嵌った自分の感覚を見事に
砕いてくれたので更に評価が上がった感じ。通常、記憶を取り戻せば全て解決、
ハッピーエンドとしたものだがこれが覆る。取り戻した代償に、記憶喪失中の人格が
消えてしまう（これは一般的なのだろうか）ことを悲しむ兄。指摘されてみると、これは
リアルだ。それなりの期間、一緒に過ごしたのだからそちらも確かなパーソナリティの
筈なのである。二者択一ならば、満点の結末はやってこないことが決定している。
苦いゴールに唸った。
そして本編の演出ではないものの、劇場版のCMが未解決の牧之原翔子編の
予告として機能した。本編ラストシーンの直後のタイミングだったので、非常に巧く繋がった。