水曜は、渋谷で映画2本。
1本目、
「金子文子と朴烈」。
これは、大正12年、裕仁皇太子暗殺を企んだとして大逆罪による死刑判決を受けた朝鮮人無政府主義者の朴烈と金子文子の愛と闘いを活写する歴史ドラマ。
1923年、関東大震災直後に広がった噂をきっかけに、日本政府は朝鮮人青年・朴烈と彼の同志で恋人の金子文子を逮捕。大逆罪で起訴された二人は歴史的な裁判に身を投じていく。
なるほど、これは並の映画館では上映出来ない。公開当初、イメージフォーラム前で右翼団体の抗議運動が起きて騒然とした、と言うのも判る。
まぁ、こんなの観ている人間は非国民に違いない。(爆)
朴烈と金子文子に下された死刑判決には、当時から謀議を謀っただけで死刑なのか、と言うのが議論され、直前に起きた関東大震災の際の朝鮮人大量虐殺事件を隠蔽する狙いがあったのでは、とされている。
(映画はこの説をとっている)
内容としては反日とは言い切れないと思う(が……まぁ、この時勢だと反日だよな)。
政府による隠蔽と目くらましの発表、抵抗するマスコミと言うのは韓国映画お馴染みの図式であり、政府と権力者の不正に頑として戦う市民、と言う図式には見応えがあるし、それが正に、今、こうして映画として作られた意味だろう。
事なかれ主義の腰抜け日本映画とは、最早レベルの違う映画だ。
そして、この映画、韓国映画らしく盛りだくさん。
映画は、コメディとしても面白く、恋愛映画としても一級品だ。
あと、金子文子を演じる、チェ・ヒソは、その豊かな表情と合わせて、最高に魅力的。
これは見応えのある、いい映画だった。
……でも、まぁ、こんなの普通は観ないだろうけど。
この内容じゃ、TV放送は100%無理、配信でさえ内容が切り取って批判に使われるのを恐れて出来ないハズで、映画館で観ないとお終いな映画だから。
2本目は「THE GUILTY」。
これは、第34回サンダンス映画祭観客賞受賞のサスペンス。
警察の一線を退き、現在は緊急通報司令室のオペレーターとして勤務するアスガーは、今まさに誘拐されている女性自身から通報を受ける。
微かに聞こえる音だけを手がかりに、アスガーは誘拐事件の解決に挑むが……
この映画はワンシチュエイション・サスペンス。
昨年公開の「search」は、PC画面だけで構築されたサスペンスだったけど、こちらは電話の音声のみ、と言うのが野心的。
電話のやり取りを繰り返しながら己と向き合う、と言う展開は、似たような映画として「オン・ザ・ハイウェイ」があるけれど、こちらはリアルタイム進行する犯罪を追うだけに、そのサスペンスの盛り上がりがある。
そして、その緊迫したやり取りの中で生じる思い込みの怖さ……なるほど、これは高評価も頷ける出来だった。
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