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2019年02月15日20:22

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「眠る村」

「ヤクザと憲法」「人生フルーツ」など数々の社会派作品を送り出してきた東海テレビ製作によるドキュメンタリーの劇場版です。

三重県と奈良県にまたがる葛尾で昭和36年、村の懇親会でぶどう酒を飲んだ女性5人が死亡した「名張毒ぶどう事件」で、当時35歳の奥西勝さんが逮捕されます。一審で無罪となりましたが、二審で死刑判決、そして最高裁は上告を棄却。昭和47年、奥西さんは決定的な証拠が無いまま確定死刑囚となり、独房から再審を求め続けましたが平成27年10月、獄中で帰らぬ人となります。
戦後唯一、司法が無罪から逆転死刑判決を下した事件として知られる事件です。

警察は強引な取り調べで自白の強要をした後、証人の言葉を次々と変えさせてしまいます。
獄死後は89歳の妹さんが再審請求を引き継いでいますが、地道な努力で弁護団が、どんなに科学的な証拠を出しても、自白にこだわって再審拒否をする司法。

先輩判事がくだした判決をひっくり返すと、村八分にされる。事件現場の村と司法のムラ社会、斎藤潤一監督によると、タイトルには二重の意味を込めているそうです。事件は58年前でも、それが今も続いている怖さ、怒りを感じます。

獄中の奥西さんの半生を描いた劇映画「約束 名張毒ぶどう酒事件 死刑囚の生涯」で奥西さんを演じた名優・仲代達矢がナレーションを担当。劇映画で奥西さんの母を演じたのが樹木希林さんで、舞台挨拶で熱く語られたことを思い出します。
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