ラッケルバード。崖の部分に巣を作る体長二十センチの鳥。
性格はおっとりしているが、卵を集団で守るため一つの大きな巣に住んでいる。
羽に毒を持ち触れるものを毒状態にしてから一斉に突く。
卵は見た目とは裏腹に、一つ五キロの重さを持つ。
高難易度だがサートリの魔量なら比較的簡単だろう。
徒歩で山を登る。二人は無言だった。
(村を出たらサートリと魔量の差で離れなけばいけないかもしれなくなる・・・そんなの嫌だ・・・!)
この村に居ればとドラッヘは心が蝕まれるようにつぶやく。
その後ろを魔量が漏れないようサートリはついていく。何の疑問も持たず当たり前のように。
(僕がいなきゃ彼女は・・・『この子』は・・・!?)
ドラッヘは服を引っ張られる感覚で振り向いた、そこには、
「ドラッヘ」
笑顔のサートリがいた。返事をせず見つめているとサートリは首を傾げ、
「どう、したの?何、か、悩んで、る?」
そう心配そうに言った。ドラッヘは心が融かされる感じがした。
(この子さえいれば、サートリが幸せならそれでいい!)
「なにも悩んでないよ。サートリごめんね」
ドラッヘそう言いサートリの手を取ると森の奥へと進んでいった。
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