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2018年12月05日07:31

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釈迦の言葉、その影に

釈迦は臨終が近いとき、その風景をみながら

「・・・世の中は美しい」

とつぶやくように言ったそうだが、ふだんからの釈迦の言葉を聞いていると、世の中は苦ばかりであるという、普段の言葉からは真逆の言葉ともとれる。

ただ

この言葉はとても重い。

病に伏せているとき、苦し見ながら見る暮れゆく山々の景色は、誰よりも有言に語りかけてくるときがある。

絶望感に襲われているとき、雪と共に打ち寄せる黒い波のしぶきは、どんな絵画よりも美しく見えるときがある。

例えこの世が一切皆苦であったとしても、その一瞬・一瞬に心が震えるのであれば、この世は生きる価値がある。
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