これが田舎の掟だ!(昭和のバカ教師たち)
自分は幼い頃から親の都合で転校を繰り返してきた。
自分が学校に行かず浮浪児になってしまった理由、いじめもあったし、勉強についていけないというのもあったけれど、田舎のルールというものがあったと言えば理解してもらえるだろうか。
田舎の学校には都会にはない、学校指定の制服ルールが存在する。
その地域、その学校にしか存在しないものを買いそろえないといけないのだ。それこそシャツやマフラー、水着の帽子、靴下にいたるまですべて揃えないといけないのだ。
制服だったらまあ納得できる。
しかし全部が全部買いそろえるとなると、これほど子供とその親を苦しめるものはない。
自分は中学校三年生のころ、やはり高校には進学したいと思ったので、一大決心をし、児童相談所から出て実父のもとへと帰り、新しい中学へと転校したのだけれど、体育の教師からかけられた言葉が
「・・この白いシューズ、うちでは規則違反じゃけえの」
という言葉だった。
よくよくシューズを見てみると、つま先がT字状に革が入っている自分のシューズと、周囲の子供達のU字状に革が入っているシューズ、そういう違いだった。
(ちょうどその時代のシューズに似た写真があるので、違いを見て欲しい。)
父親は自分のため環境を変えたいと思ったのだろう。
再婚をしたせいもあって引っ越しをしたばっかりだったのだが、金がないのはわかっていた。
そこの体育教師は自分が転校生だと分かっていたと思う、しかし
「・・規則じゃけ」
そういうのみだった。
こういう学校は実はここのみでない。
田舎の学校には学校指定ルールが存在する。
なぜか、どういうわけかしらないが、帽子から靴に至るまですべてそこの学校でしか通用しない指定物を買わなければいけないのだ。
制服ならまだわかる。
部活のユニフォームだってそりゃ大会に出場するなら揃えるべきだ。
しかし、なんでもかんでも、
「一緒にしろ、じゃないと規則違反だ。」
というのは、
「自分たちはバカですよ。」
と言っているのと同じじゃ無いのか。
転校を繰り返す自分が学校に行かなかった、いや、行けなかった理由は実は方言によるいじめだとか、勉強についていけなかったとか、そんなことはたいした理由じゃ無かった。
そうじゃない、学校で揃えないといけないものが揃えられなかった、そしてそれが子供心にすごく恥ずかしいことだったと、どれだけの人が分かってくれるだろう。
自分はこういう意味でも、故郷の田舎の風景を見るのがいまだに苦痛なのである。
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