〜氷の上に立つように〜
新学期が始まって
夏休み明けの体にはしんどい六限目も終わって
僕の教室にはいつもの様にやって来た音桶さんと外堀さんと
そして相変わらずの仲良し女子グループが三つ
仲良しさん達の一つは何が面白いのか《うけるぅー》と言いながら
手を一つあるいは二つ拍子のように叩いて笑い転げている
僕にはいったい何がうけているのかさっぱりわからなくて
音桶さんに訊いてみた
「ねえ音桶さん 彼女達何があんなに面白いのかなあ」
『川上君がいつもの調子で脱線うんちくを喋ってるみたい』
「えっ？あの この間音桶さんに突然自分の思いをぶつけてきた
一個下の男の子？脱線というより自ら線路をひいて走って来たって
感じだね」
よくみたら仲良しさん達の輪の中にいつの間にか溶け込んでいる
一個上の教室の女子グループにすんなり溶け込めるというのは
目的の真意はともかくある意味特殊な才能なのかもしれない
『友人の面白い弟って感じ なんかコミックに出てきそうなキャラ』
「コミックキャラっつったら君も 学園もの天然キャラという感じで
川上君には負けないと思うけど‥」
『あはははは』
音桶さんが照れをごまかすように笑いながら
伏せていたコミックをパッと取って
読み始めようとして本が違う事に気づいて
瞬間的に顔が真っ赤になって更に笑いながら言う
『あははは 数�僑造龍飢塀颪犬磴鵑海譟�
「あはははは のりツッコミうまいね」
《あはははは…そっスね》
「えっ！？」
いつの間にか後ろに外堀さんがいた
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