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2018年03月10日06:40

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雨 その4/5 − 吉田嘉七 「ガダルカナル戦詩集」より


雨 吉田嘉七 「ガダルカナル戦詩集」より


よべが火砲の音に暮れ、
今宵はしとど雨に昏(く)る。
ここはジャングルの闇深み、
すべなく戦友(とも)は濡れ侘びぬ。
されど寝(い)ねぬはそがための
夜にはあらず、今こそは
前線いくさたけなわに、
歩兵は犇(ひし)と攻めたらむ。
よしやわが身は濡るるとも、
天の祐(たす)けと降れ、雨よ。




                 < つづく >




「定本 ガダルカナル戦詩集 」 創樹社 
CE1972年11月25日 初版発行 27〜28頁より
東京都文京区本郷2丁目15番地21号 (株)創樹社



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