mixiユーザー(id:411965)

2018年03月02日01:42

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「シェイプ・オブ・ウォーター」映画

『シェイプ・オブ・ウォーター』
<ストーリー>
 1962年政府の秘密研究所で清掃員として勤務するイライザは密かに運び込まれた謎の生物を目撃する。その独特な姿に目を奪われたイライザは密かに“彼”に接触するようになる・・・
<コメント>
 『ミミック』『ヘルボーイ』や『パシフィック・リム』のようにストーリー優先のモンスター映画を見たら単なる怪獣大好きおじさんかと思っていたけれども、『パンズ・ラビリンス』を見た時に「ああ、この人は本当に異形の存在が大好き、というよりもこの人の中では存在しているのだ」と感動してしまった。あのラストは単なる救いではなく、本当にあったもう一つの世界なのだと泣いてしまった。
 そんな異形への愛に溢れたギレルモ・デル・トロ監督が本気で異形と愛し合う完全なラブストーリーがこの作品。
 『大アマゾンの半魚人』がアメリカに連れてこられて、口の利けない女性と触れ合ってやがて互いに愛し合うようになったら、という一見ファンタジーよりな題材を『パンズ・ラビリンス』がそうであったように舞台を弱者に過酷な時代に設定してそこで逆境の中で互いに愛を深めていく姿はより明確にテーマを見せてくれる。特にヒロインが不細工なうえに口がきけない女性、彼女の友達はゲイの隣人とダメな夫を持つ黒人女性。そしてそんな彼女と“彼”の関係を知って密かに助けようとするのは研究所に潜入しているロシアのスパイ科学者。
 この作品の特徴的なことはいわゆるこういった作品では最後のクライマックスに持ってくるようなシーンをわざと中盤に持ってきて、そこからさらにその状態での二人の関係性を突き詰めて描いていくところ。特に二人の関係がプラトニックだけでなくなっていくところなどは冒頭から普段のイライザが起きてからバスタブでマスターベーションをしているというなかなか衝撃的なシーンがあるからこそ納得できる展開でもある。
 ホラーとアクションとサスペンスとラブロマンスの間を行ったり来たりしながら感動的なクライマックスに向かうまさに映画的な感覚の全てを味わえる作品。

シェイプ・オブ・ウォーター
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