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2018年03月01日04:52

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ある挺身の兵の語る 3/8 − 吉田嘉七 「ガダルカナル戦詩集」より


ある挺身の兵の語る       吉田嘉七

行き行けど、行方もわかぬ
木の下闇のいつの日か
果つる日やある、昼ひそみ、
夜のみ歩む南冥の
ガダルカナルの森深し


負い来し米はつきはてて
名も無き草を喰らいつつ、
辿れる尾根や、断崖や
つもる朽葉にふみまよい、
幾度もまろびし、つまずきし。

靴は破れぬ、趾裂けぬ。
背嚢遂に追いきれず、
装具もすべて捨てはてぬ。
抱くはわずか短剣と
菊の御紋のつきし銃。

                 < つづく >




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