2013年・第14回東京フィルメックスの最優秀作品賞など多くの賞を受賞したジョージア・ドイツ・フランス合作映画で、岩波ホール創立50周年記念作品第一弾です。
ソ連からの独立を果たした翌年、1992年のジョージア(グルジア)の首都トビリシを舞台に、二人の少女の成長と友情を描いています。
トリビシ出身のナナ・エクフティミシュヴィリが少女時代の思い出をもとに、ドイツ出身のジモン・グロスと共同監督し、苦難の時代を生きる庶民の困難さ、当時の女性の
境遇などをリアルに描き出しました。
独立後に起こった内戦によって、人々の心はすさみ、経済も大きな打撃を受けたジョージアでは、あらゆる物が不足していました。
14歳の少女エカとナティアは同級生で、それぞれ家庭に問題を抱えていましたが、パンの販売の長い列に並びながら、おしゃべりするのがささやかな楽しみでした。
美しいナティアには、互いに好意を寄せ合う少年がいましたが、彼が不在の間に、不良少年のコテがナティアを強引にさらい、結婚を強要します。
祝宴の場で、エカが突如、無言で踊る場面が印象的です。
結婚したナティアは学校にも行かせてもらえず、単調な日々を送っていましたが、悲劇が起こります。
邦題やチラシから受けるイメージとは全く違っていましたが、良い映画でした。
今では誘拐婚はほとんど無いが、ジョージアでは皆が若くして結婚し、多くの少女が結婚のために学校をやめているそうで、まだまだ問題は大きいそうです。
「ジョージア女性から奪われてきた声を取り返したいのです。」と監督は言います。
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