ぶらあぼで「みなとみらいアフターヌーンコンサート」という催し物を知りました
演奏者のガヴリリュクの名は未知のものでありましたが、曲目が魅力的でし
たので、ぴあで残席をチェックしたら余裕がありそうだから、予定を変更して
本日みなとみらいホールに行って参りました
当日売りでしたので通路側で残っているのは2階後方でしたが、まぁアイドル
コンサートではないのですから砂被りである必要もない
公演パンフでプロファイルを見ると、7歳でピアノを始め9歳でオケと共演とのこと
始めるの遅すぎません？ でも2年でコンチェルトを弾けるようになるとは
16歳の時に浜松国際ピアノコンクールで優勝、故中村紘子女史に絶賛される
コンサートのタイトルが「超絶ピアニズム」という文言に嘘はありませんでしたが、
ちょっと惹句としては下品な感じがします
実際に拝聴すると、ヴィルトゥオジテをひけらかすタイプの演奏家ではありません
もちろん技巧もなくショパンのエチュードを弾けるわけはないのですが、それが
すべてではない、たまたま技巧に不足はありませんでしたと言う感じです
バッハ/ブゾーニのトッカータとフーガニ短調は、ブゾーニの技巧誇示よりは
原作のバッハ寄りの演奏です
続くハイドンのソナタは47番と聞いても「あぁあの曲か」というわけには行かない
なにしろ多作家ハイドンのソナタは、昔ピアノを習ったころ弾いた2曲しか知りません
天真爛漫なハイドンではなく、珍しく短調の曲で、こういう選曲にも演奏者の資質が
現れているようです（超絶ピアニズムという言葉とは寄り添わない）
ショパンも、まずピアノの前に座って沈思黙考、やおらこの上もなくゆっくりと
「別れの曲」を弾きだします
それに続いては比較的無名ではあるがピアニスティックな4曲を選んで、最後は
「革命」で、ここにきて初めて技巧的な演奏で締めました（Bravoがかかる）
休憩後のスクリャービンは突然人が変わって、ピアノの前に座る否や猛烈な
タッチで弾きだして驚かせます(これでようやく演奏会のサブタイトルの納得が行く）
しかしまたラフマニノフの前奏曲からの抜粋は、内省的なinnigな選曲です
当初予定されていた作品23の2は演奏者の希望により変更になりましたが
この23の2はそれこそ豪華絢爛な技巧で知られる曲で、それに代わって演奏された
作品32の12は先日マツーエフもアンコールで弾きましたが、これまた技巧ファースト
ではないリリカルな曲ですから、ガヴリリュクのコンセプトがわかります
しかしまたこれで終わりにはせず、最後はラフマニノフのソナタ2番で、再び
スクリャービンのようにピアノの前に座ってすぐにガンガン弾き始めました
恐るべき技巧で、振幅の激しいこと
最後は派手なアクションで弾き収め、余韻を楽しむ間もあらばこそ、覆いかぶさる
ような拍手を浴びました
Bravoではなく、「イエイ！」の声が飛びました（若い人の声でした）
万雷の拍手に応えて弾きだしたアンコールは、この上もなくinnigに子供の情景の
第1曲「異国から」を弾いてそれで終わりでした
技巧はあって当たり前、必要条件ではあっても充分条件ではない、ということを
感じさせたコンサートでした
終演後は横浜駅で乗換える際に、ハイドン�兇気鵑離屮蹈阿脳匆陲気譴拭⊆命森嶌造�
お師匠さん玄一生先生の教え子の写真展を覗いてみました
写真展といっても朝日カルチャーセンターの一角に十数枚の作品が展示してあるだけ
それでも、なかなか味わいのあるものが並んでいました
ワタシは絵心がないものですから、こういう写真には不向きなのですが、どの方も
フォトジェニックな風景を切り取っておられます（技術よりも感性ですかね）
中でも新倉久美子さんという方の「迷い込んだ路地」という街角でギターを弾く青年を
アーチ形の空間に収めた1枚と、佐原教文さんという方の、これはどうやって撮影した
のか、雨に濡れた窓ガラスに映った風景を幻想的に表現した「朝の風景」という
写真に心惹かれました
よくある、接写で静物を捉えて背景をぼかした作品は、ちょっと「インスタ映え」を
狙った感じですね（いかにも初心者的）、などと生意気なことを思ってしまいました
そのうちハイドン�兇気鵑虜酩陛犬盂�かれることでしょう
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