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2018年01月09日20:14

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「希望のかなた」

アキ・カウリスマキ監督が、前作「ル・アーヴルの靴みがき」に続いて難民問題をテーマに描き、2017年・第67回ベルリン国際映画祭で銀熊賞(監督賞)を受賞したヒューマンドラマで、フィンランド映画です。

青年カリードは内戦が激化するシリアで、家も家族も失い、ただ一人生き残った妹とも逃げる途中で生き別れてしまい、捜すうちにヘルシンキにたどり着きます。全てを失ったカリードにとって、妹を捜し出すことが唯一の望みでした。

中東からの膨大な数の難民受け入れという、ヨーロッパ全体を悩ませる難民危機の影響で、無情にも難民申請を却下され、極右のネオナチに襲われてしまいます。ホームレスになった彼に働かないかと声をかけたのが、レストランのオーナーのビクストロムでした。
彼もまた、行き詰まった過去を捨てて人生をやり直そうとしていました。
へんてこな日本料理店は失敗するものの、やがて従業員たちに結束が生まれていきます。

重い社会問題をリアルに描きながら、ユーモアもたっぷりで、困っている人に手を差し伸べる人々の優しさが各所に描かれている作品です。
カウリスマキ監督はやっぱり好きだなと思わせます。やはりファンが多く、映画館は満席でした。監督は本作を最後に引退すると宣言したそうですが、そんなこと言わず、次回作も是非と期待したいです。

主演のシリア難民青年カーリドを好演したシェルワン・ハジはシリア出身・フィンランド在住だそうです。ストリートミュージシャンなどの歌もよく、犬も可愛かったです。
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