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2017年12月29日00:23

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僕にとって特別な存在

〜狐〜

デパートの屋上で遊んでソフトクリームを食べて
帰路の駅の改札口を出た家路までの途中の坂道は
もう暗くなっていた

節分の豆まきとかお祭りの屋台とか楽しい思い出
がいっぱいあるその神社の境内にいる石の狐は
僕の遠い昔の記憶の中に今でも鎮座している

決して怖いという思いはなかった
ただ自分が昼間楽しい想いをした帰りにその石の
狐に逢うと何だか悪い事をしていた様な自責の念
に駆られた

僕は薄暗い境内に鎮座する狐の顔を見て思わず母
の上着の袖をぎゅっと掴む
でもたまに微笑んでいる様な気がする日もあって
そんな時は母に「狐さんが笑ってる」と袖を引き
立ち止まる事もあった
母はたいがい『あらよかったわね』と微笑む
幼い僕は母の《よかったわね》の言葉が嬉しくて
狐さんに「バイバイ」と手を振った
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