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2017年12月24日11:44

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12月22日 鈴本演芸場 暮れの鈴本掛け取り三昧

 晴れて肌寒いいかにも東京の冬の日。上野はパンダ公開でお祝いムード。「柳田格之進」「芝浜」などを日替わりの主任に演じさせる鈴本の年末特別興行、今年は「掛取り」が加わった。雲助、喬太郎、市馬、歌奴、馬石の日替わりで、このうち市馬と歌奴の「掛取り」は聞いている。そういえば喬太郎の「掛取り」聞いたことない? ということで喬太郎主任の22日昼の部に行ってきた。

喬太郎の「掛取り」行くからと今月の初めに家人に云ったら、有休を取って一緒に行くと云い出した。いや、何も落語行くのに有休取らなくても・・・と思ったが、使ってないから大丈夫!と云い切られて同行。果たして当日開場30分前に演芸場前に行くと、早くも長蛇の列。開演間もなく後ろに20人以上の立ち見が出るほどの大入り。恐らくウチの家人同様有休取って連休扱いで来ている人がかなりいたんじゃないか。

●前座 門朗「元犬」
 文蔵門下。兄弟子かな文に比べると、まだまだいろいろ様子見な感じ。
 
●やなぎ「つる」
 さん坊時代しか聞いてなかったが、なかなか。さん喬門下は割とバラバラだ(好い意味で)。

●太神楽 翁家社中

●こみち「熊の皮」
 以前は「後輩にちょっと注意してもいじめたと云われる」とブツブツ云っていたが、結婚し、出産し、真打になり・・・と「後輩の女流落語家から憧れの目で見られている」とリア充アピール。女房の尻に敷かれる男の噺を「我が家とは逆」っていた。

●龍玉「強情灸」
 扇里、小せんの出身地・横浜で同期真打五人の会をよく催しているが、この人の貫禄は同期の中でも抜き出ている。振りが大きいのも良いなぁ。

●漫才 ロケット団

●小ゑん「長い夜」
 新作落語のありがちな手法は、物を擬人化して喋らせたりすること・・・と自作「ぐつぐつ」などを揶揄しながら両手を広げておもむろに「私は空・・・」。

●一朝「片棒」
 文蔵襲名から今年一年にかけて、この人は特に寄席に、協会にとってなくてはならない人だった。

<中入り>

●紙切り 楽一
 後の文蔵が時間を間違えて楽屋入りが遅れたため、3つ切り終えた後に最前列の小学生女子にリクエストを尋ねたところ「太神楽」。あまりに渋すぎるお題に楽一思わず「え、うさぎ、とか?」と聞き直す。

●文蔵「時そば」
 上手袖で慌ててネタ帳を見ていた様子。毎度おなじみの凶悪そば屋「当たりや」が可笑しい。

●白酒
 文蔵遅刻の事情を解説して笑いを取る。落語はズーズー弁の浪曲師が「森の石松 三十石船」を語るものだが、これは「夕立勘五郎」とも「三十石」とも関係ない?

●浮世節 橘之助
 襲名披露終えたばかりでひときわ大きな拍手。

●喬太郎「掛取り」
 文蔵の楽屋入りが遅れて時間割が押せ押せになったそうだが、終わってみれば時間通りというか若干短めだったのか。「掛取り」をと鈴本から依頼を受けた時、本人云うところ「掛取り」を演じたのは10年ほど前に一回だけだったとか。そこで、客のことは無視して「演者本人が一番楽しい『掛取り』をやります!」という、ほぼ予想通りの展開。小劇場ネタ、ウルトラセブンネタなど、「細かすぎて、かつ狭すぎてわかりにくい物まね」連発。そういえば喬太郎は風間杜夫の落語会によくゲスト出演するが、やっぱり若いころに強い影響を受けた憧れの人なんだろう。

 終わった後に家人は「ほとんど(ものまねが)わかんなかった!でも面白かった!」。
 新宿末廣亭に今松を聞きに行こうかとも思ったが、家人の体調がいまいちだったので大事を取って帰宅。


 平成29年はこれで落語聞き納め。今年自分の心に残った高座は以下の通り。完全に落語協会に偏ってしまった。確かに今年はあんまり芸協を聞かなかったなあ。

〇小辰「団子坂奇譚」 5月藤沢さかなや落語
 面白いんだか面白くないんだか・・・という微妙な味わいの入船亭の持ちネタ。これが寄席の浅い出番でさりげなく演じられるようになれば、小辰もその継承者ということか。

〇今松「粗忽長屋」 4月 末廣亭
 今年これを聞いて以来、久しぶりに横浜、市ヶ谷と今松の落語を聞きに会へ足を運んだ。何かきっかけがないとなかなか動けないもの。

〇三三「天使がバスで降りた寄席」 3月 紀伊国屋ホール
 「最近アニさんに寄せている」と三三が云っても「越えられない壁がある」と白鳥に云われてしまう寂しさ。でも表現者としては傑出しているじゃないか。

〇馬石「厩火事」 5月 池袋演芸場
 ちょっと抜けた女性の可愛らしさ。女形を見て女性らしさを感じるのに通じるものが

〇百栄「フェルナンド」 8月 西新宿プーク
 この絶妙な抜け感。

〇喬太郎「残酷な饅頭怖い」 8月 日本橋劇場
 個人的にメンタルが弱っていた時期に心救われた。

 今年は「新感染」を人に勧めてばかりいたが、個人的に今年の一番好きな映画は「ベイビードライバー」。映画館で二度見て、飛行機移動中も二度見ている。スクラップ工場でクラッシュした車と母親の自動車事故がシンクロして、そこにコモドアーズが流れるシーンが最高。これて思い出したのが「さらば青春の光」で主人公の絶望に「ベルボーイ」が重なるシーン。主人公のiPodにクイーンのアルバム「シアーハートアタック」が入っているのもイイ。これ自分が生まれて初めて買った洋盤だった!というノスタルジーと切り離せない、まるで中年向けおとぎ話みたいな映画だった。



 

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