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2017年12月09日22:59

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記憶を紡ぐ

〜仏壇〜

曳田家では仏壇を「のんの様」と呼んでいた。
由来を確かめた事はないが、多分子供向けの名称かと思う。
毎年師走の28日に仏壇の中のものを全て出して磨くのが曳田家の
年末恒例行事で、僕の役目は金色の団子を5、6個潰して重ねたよ
うな蝋燭立てを白いワックスの様なもので磨くことだった。

もう一つの仏壇に関する僕の役目は、毎朝、炊き立てのご飯とお水
をのんの様に供える事だった。
チンチーンと鐘のお椀みたいな物を鳴らしして「なむあみだぶつ」
と唱えた。
いつだったか「なぜご飯とお水を二つお供えするの?」と母に聞い
たことがある。
母は『ご先祖様達よ』と答えたけど、その頃は「〜達」という深い
意味を知る由もなく「ふーん」と返事をした。
その「〜達」の本当の意味を知ったのは大学生の頃だった。
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