出張の帰り、大渋滞に巻き込まれたついでに、レイトショーでクリストファー・ノーラン監督の最新作『 ダンケルク 』を観て来た。CGを一切使わないなど色々な噂を耳にしてはいたが、予想を超える面白さだった。
ダンケルク大撤退作戦の全貌を描くことをせず、作戦に関わった個々人の視点に終始した「 割り切った構成 」が実に素晴らしい。イギリス本土に渡ろうと懸命に努める英陸軍の無名兵士を物語の中心にしたおかげで、観客は撤退作戦の生々しい追体験をすることができた。この先、何が待ち受けているかわからない展開がずっと続く中、情報もなく、ただただ、現場で臨機応変に行動する兵士の視点で描いたからこそ、味わえる緊迫感である。
全体に台詞が少ないのが良い。英仏連合軍に迫るドイツ軍側の視点を一切持ち込まなかったのも、リアリティを高めている。空戦も思いのほか、淡白だ(ドイツ空軍のメッサーシュミットBf109が案外簡単に撃墜されるのだけは気になったけど)。
ちなみに、IMAXで鑑賞したが、大画面と大音響の効果はさすがだ。
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