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2017年09月17日00:40

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推理にスイッチON

〜二人の行動〜

「すみませーん 通らせていただきます」

岩と木の根っこと年季が入って滑る階段の土を止める
丸太という、まるで登山技術を試されている様な、急
な斜面の山道の後方から男性の声がした。
まだ膝が本調子でなくそろりそろりと下っていた私は、

「どうぞ」

と振り向かずに応えた。
ガタガタと音がするので、どんだけ賑やかな中身のリ
ュックなんだろうと思うと同時に、私が選択しなかっ
た更に悪路というか坂をマウンテンバイクに中腰でま
たがった人間が横を疾走して通り過ぎた。
スキーのモーグルの様に岩や木の凸凹を膝で吸収しな
がら一定の姿勢を保ちながら真っ直ぐ下りる姿がカッ
コいい。
30m程下の平な場所まで下りると、彼は止まって私
の方を見上げる。
私にお礼の一言でも言うのだろうと思い、随分丁寧な
人だと感心しかけたその時、

『すみませーん 通りまーっす』

とまさかの二台目、しかも女性の声。
やはりガタガタと彼の通ったルートを少し慎重になぞ
って下りて行った。

展望台にいたペアだという事に気がつくまでそう時間
はかからなかった。
いかにも自転車に乗ってますという出で立ちだったの
を記憶していたから。
すると、まてよ?
あの二人は、私が上りに歩いた、オフロード車でもち
ょっときつそうな坂道をこいで登ったことになる。
いや、担いで上ったのか!?
それにしてもあの二人。
私の全然あとから展望台に来たわりには息がきれてい
なかった。
すなわち、あの二人はオフロード車に自転車を乗せ、
山頂から一回目の下りを楽しんだのではないか?
という事は、走る担ぐのいずれにせよ、自転車で頂上
まで帰る事で1つのサイクルになる。

「頂上まで帰る・・!? 尋常じゃない・・」

やっとの思いで登り切った私は思わず声を出してそう
呟いてしまった。
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