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2017年08月10日17:24

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クロスオーバーイレブン

 12日の土曜日までらしいですが、今週NHK−FMでは、一時的に“クロスオーバーイレブン”が復活しています(マイミクhayamiさんの日記で知りました)。
https://www.youtube.com/watch?v=nzZqnnnELR8

 午後11時に、このオープニング曲(“Fly over the Horizon (Vôo Sobre O Horizonte)”/Azymuth)と津嘉山正種さんのナレーションで始まるこの番組、20年以上続いた長寿番組だったのですが、自分は(あまりテレビを見ていてはいけない)受験生時代から聴き始めることになったためか、よく聴いていたものでした。
 いつも、オープニングのあとに3曲ほど流れた後、津嘉山さんのナレーション(朗読)と1曲の音楽が交互に流れ、最後にまた3曲ほど流してエンディングという構成でした。
 曲は洋楽(ワールドミュージック)が中心でしたが、深夜番組だったためか、比較的アダルト・テイストの曲が多かったように思います。
 そして、11時50分が近づくと、このエンディングテーマ(“October (Outubro)”/Azymuth)と津嘉山正種さんのナレーションが流れ、番組が終わりました。
https://www.youtube.com/watch?v=-qoRKEZw190


 その“クロスオーバーイレブン”は、いつしか放送時間が延長されて、ニュースを挟んで、25時までの日跨ぎ構成になり、24時からの第2部は、各界の著名人が1週間交代で登場し、様々なおしゃべりを展開してくれるようになりました(と言っても、ピーコは定期的に何週間か経つと繰り返し登場していたように記憶しています)。
 第2部もお決まりのナレーションで始まるのですが、それは「時計の針が12時を回り昨日から今日への さまざまな出会いと別れのなかで ひそかに奏でるサウンド・メッセージ クロスオーバー・イレブン」というものでした。これをその週を担当する著名人自らが読み上げ、軽く挨拶した後、「それでは、今夜も(その日話す内容)と素敵な音楽で、1時間お付き合いください」と結んで、3曲ほど流して、あとは、第1部と同様の流れで、番組が進んだものでした。

 この第2部には様々な人が登場し、面白いお話をいろいろ聞くことができました。以前、こちらの日記で紹介したこの話もその一つです(http://mixi.jp/view_diary.pl?id=1548829385&owner_id=22841595

 また、解剖学者の養老孟司さんが登場したときも傑作でした。
 養老さんは解剖学者であるだけに「死んだ人」の話をされたのですが、そうなると、上述のオープニング・ナレーションで「それでは、今夜も死んだ人の話と素敵な音楽で、1時間お付き合いください」と言うことになり、深夜にあの低音の美声でそう言われると、最初から何やら怪談めいた感じがしたものでした。
 もちろん、お話しの方も、たいへん興味深いもので、例えば、死んだ人の骸骨というものは、最初からそんなに簡単に真っ白な状態にはならないのだそうです。骨は、自ら造血組織の一つであるうえ、血管や、筋肉組織等がこびりついてて、容易なことでは、白くできないそうです。では、どうやって白くするかというと、微生物の力を借りるそうです。一定期間、骨を微生物に与えると、余分なものを食べてくれて、骨だけが残る結果、きれいに白くなるということでした。

 笑わせてくれたのは、漫画家の赤星たみこさんでした。
 彼女は、ご主人(しんちゃん)との馴れ初めから語り始めたのですが、当時から言いたい放題の女王様気質だった彼女が何を言っても、しんちゃんは、彼女のことを「可愛いやつ」と言って受けとめてくれたそうで、これだけ自分の可愛さを分かってくれる人なら見込みがあると思って結婚したということです(初日から自分のことをこんなに可愛い、可愛いと連発された人は初めてです、と番組ディレクターから後で言われたそうです)。
 また、幼い甥や姪たちには、「私のことは“おばさま”とお呼び!」と命じていたそうですが、その甥や姪の前で平気でご主人のことを「しんちゃん」と呼んでいたので、あるとき、甥や姪から夫婦に届いた手紙に“しんちゃんとおばさまへ”とあったので、流石に反省したといった話もされていました。

 ただ、こうしたどちらかと言えば他愛ない話は例外的で、大部分の人々は、その人が歩んできた道、専門領域について、淡々と誠実に語ってくださいました。
 印象に残っているのは、女子プロボウラーの須田開代子さんです。
 この人は、本当にボウリングが好きだったのだなと強く感じられるお話しで、私たちが、単なるレジャー、レクリエーションの一つとしてしか遊んでいないボウリングという一つのスポーツに、一生懸命取り組んだ彼女の姿勢が伝わってきました。残念ながら、この人はがんで既に旅立ってしまいましたが、できることなら、女子プロボウラー初のパーフェクトはこの人に達成させてあげたかったなと感じたものでした。

 こんな感じで、ラジオを点けておきさえすれば、こうした興味深い話に当り前のように接することができた当時は、振り返ってみれば、いい時代だったなぁと今さらながら思います。
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