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2017年07月07日12:05

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『スロウハイツの神様』by キャラメルボックス

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― キャラメルボックス2017サマープレミア ―

原作:辻村深月
良い原作を舞台に載せるのが本当に巧い成井さん、
また、いかにもキャラメルらしい作品を舞台化してくれたようだ。

7/5(水)初日@サンシャイン劇場
19:00〜21:00
原作未読で観劇。
なので、どのくらい原作に忠実なのか不明だが、
原作者辻村さんがとても喜んで観て下さったとのこと、
きっと、原作を活かした舞台だったのだろう。



舞台は「スロウハイツ」なる、かつて旅館だったシェアハウス。
大家は脚本家の赤羽環(原田樹里)
店子5人(後、6人)は全て環が厳選した住人。

ペン千代田公輝(大内厚雄):
中高生に大人気の作家。 かつて彼の作品の影響で殺人ゲームが発生し死者も出、
休筆したことがあった。 その折1ファンの手紙に救われ再起。
匿名のそのファンを「コーキの天使ちゃん」と称し、大切に思っている。

ペン狩野壮太(玉置玲央 ※客演):
漫画家を夢見るも、世界観が甘すぎると、出版社への持ち込みもうまくいかない。

カチンコ長野正義(松村泰一郎 ※客演):
狩野の親友。映画監督を志す。しかし、映画に感情を込められず評価されない。

アート森永すみれ(小林春世):映画館でバイトをしつつ絵を描いている。
環の親友で、正義のカノジョ。 自分の絵に自信が持てない。

本黒木智志(森山栄治 ※客演):
漫画雑誌の編集長を務める。コーキの売出しを一手に引受ける敏腕編集者。

人影加々美莉々亜(木村玲衣):自称小説家にしてチヨダ・コーキのファン。
空室に後から入ってきて、ロリータ服に身を固め、公輝の部屋に入り浸る。

環の公輝への秘めた想いが、物語の軸となる。
彼女は、幼いころ母親が詐欺で捕まり辛い少女期を過ごした。
そんな彼女を支えてくれたのがチヨダ・コーキの小説。
彼の作品をいつか自分が舞台化したい!と思い続け、
今、脚本家として地位を得た。
そして、今、彼と同じ屋根の下に住み見守っていて、
何があっても、どんなことをしても彼を傷つけまいとしている。

しかし、そんな環が知らないもう一つの物語があったのだ…
コーキの作品中にもそれが織り込まれていたなんて!目
素敵!ぴかぴか(新しい)

原作ではどう書かれていたのかわからないが、
「語り役」として環の祖母「滋子(石川寛美)」を登場させ
途中の枝葉を整理、処理。
もう一つの物語、
実はすぐヨメてしまうのだけれど、(笑)
それでもコーユーのはとてもいい!
成井さん得意の、時を遡る演出で
最後にわかりやすく、本当に巧くまとめてくれた。

もっと断ち切っていい枝葉もあるように思えたが、
佳作である。

ただ、初日だったせいか、
環の樹里さんの声が、高過ぎてか通りにくくザンネン。
公演が回を重ねるうちに改善していくといいな。

莉々亜はその存在にどうも違和感が…
原作でもこんな扱いだったのだろうか?
公輝が彼女に惹かれているなんて全く思えないけれど、
環は何を勘違いしたのだろうか?

観劇後、
そういえば、
東京會舘をめぐる、様々な登場人物の優しい話を描きながら、
その登場人物たちがなんとなく関わり合っていた、
「東京會舘とわたし」も辻村さんの作品だったと思い出し、
おぉ〜〜っ!と納得。

こういう作品、辻村さんの真骨頂なのかしら?
特に名前を追いかけることのない作家さん。
また、作品から出逢うこともありそうだ。

で、辻村さん。
実はキャラメルボックスの大ファンだそうで、
いつか自作をキャラメルの舞台にして欲しいと思い続けて、
今回、叶ったとの事。
嬉しいだろうな〜〜! 環に重なるものを見る。

初日、観劇にいらして、
本作には出演はしていない岡田さん、岡内さんとカメラ 
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「波多野とユーリだぁ〜ハート達(複数ハート)」と仰った言葉に、
本当にキャラメルファンだったことがシッカリ伝わった。
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