国内プロバスケットボールのBリーグは、この秋2年目のシーズンに突入する。
だが、1年目冒頭から懸念されていたレギュレーション上の地区分けにあった不安は、2年目にもろに出る形となり、いよいよ“問題あり”との指摘は免れない状態になった。
まず東地区に前季(2016-2017)の上位が集中してしまっている。西地区が反対に前季の下位が集中している点。チャンピオンシップ(CS)に出場した8チームのうち、5チームが東地区に集まり、中地区は西地区優勝の三河が加わるため2チーム、西地区に至っては昨季レギュラーシーズンで負け越しながら辛くもCS出場した琉球1チームのみになるのだ。加えて、B2から昇格した島根と西宮が加わるので、序列的には圧倒的“下位”チームの集団となってしまう。
※参考
≪2016-17シーズン各地区順位表≫
東 中 西
★栃木 ★川崎 ★三河
★A東京 ★三遠 ★琉球
★千葉 ★SR渋谷 大阪
北海道 新潟 名古屋D
●秋田 富山 京都
●仙台 横浜 滋賀
★印はCS出場チーム、●印がプレーオフ・入れ替え戦を経て、B2に降格。
≪2017-18シーズン 各地区チーム一覧≫
東 中 西
★栃木 ★三遠 ★琉球
★A東京 新潟 大阪
★千葉 富山 京都
★川崎 横浜 滋賀
★SR渋谷 ★三河 ◎西宮
北海道 名古屋D ◎島根
◎は、プレーオフを経てB2からB1に昇格したチーム
2年目となる2017-2018シーズンの地区分けを確認すると、CS出場したチームのうち5チームが東地区に集中している。一方で西地区は琉球1チームのみとなり、B2からの昇格チームは2チームとも西地区に入っている。図らずも東高西低の構図が強化されているのだ。現在のレギュレーションではワイルドカードを含めて同地区からは最大3チームまでしかCSには進出できず、西地区からは今季確実に1チームはCS初出場チームが誕生することが確定し、逆に東地区では(仮に西地区のすべてのチームより総合順位で上位に位置していたとしても)昨年CS出場を果たしていたチームのうち少なくとも2チームは確実にCS連続出場を逃すことになる。現に、来季東地区になるチームの中で昨季もっとも貯金が少ないSR渋谷は、来季西地区で前年成績最高位の琉球の借金2より全体順位は上位である。
更に、折角Bリーグは旧・日本リーグと旧・bjリーグの統一トップリーグを形成した筈だったが、東地区には旧bjチームは居なくなる。(川崎、千葉はbjに加盟していた時期もあり)また、西地区は来季B2から昇格する西宮がNBL(旧・日本リーグ)からの唯一のチームとなり、残り5チームは2015-2016シーズンをbjリーグ西地区で戦った「かつて見たことのある構図」なのである。
まだそういう意味では“過渡期”であり、どうあっても「東高西低」の構図は免れられないのは仕方ないのだが、来季はどうにかバランスを取ろうと、地区交流戦を24試合から30試合に増やす措置を取ることになった。
つまり、地区内は6チーム総当たり6回戦で30試合、交流戦は12チーム×2回戦の24試合に6試合が増えて30試合の計60試合に組み替えるわけだが、これでも弱いチームと6試合やるか、強いチームと6試合やるかで勝ち星に差が出る不公平が残る。西地区からすれば、対戦相手未定の部分(2試合が1節の計3節6試合)を中地区のチームと4試合、東地区のチームと2試合にしたいところであるし、それも下位のチームが当たればかなり楽だが、東地区上位4試合、西地区上位2試合で組まれてしまうと、星勘定で大きな痛手になってしまうことは明らかなのである。
この措置のメリットは地区内の不公平を是正するには少しだけ効果はある。直接順位を争う地区内チーム同士での対戦回数は同数になり、他地区との交流戦ではどうあれアンバランスは免れない。
これも本来ならば、交流戦を48試合(12チーム×2節4試合)として年間78試合制とするか、1節3試合制にして36試合(12チーム×1節3試合)とすべきところであるが、専用アリーナを持たないチームも多い中、或いは小刻みに移動できるほど経済的余力がないなど、興行的事情で出来ない辺りに苦しさが残った形だ。
仮にシーズン78試合制にしようと思ったら、1節2試合制のままでは計算上39週かかることになり、9月頭から始めて休みなく毎週末試合を組んでも5月中にシーズンは終らない。66試合制でも、代表の試合やオールスターのブレイクは取れず、怪我人が出ても休まず試合を続けねばならず、昨季の北海道のような登録選手不足の事態は、各チームにも波及するだろう。
そうなると、地区内30試合、交流戦24試合の54試合制が妥当な試合数となるのだろうが、リーグを立ち上げる段階で川渕が連呼したのは「もっと試合をやれ」。実際に試合をよりたくさんすることが文化浸透の第一歩であろうから、これはこれで重い言葉である。昨季より6試合を減らすだけでも、リーグの統一感は低下するのであるからこれも避けられたいと考えるのだ。だが、これも予見されていた結果論である。
決められた年俸の中でより多くの試合=興行を行ってチームの経営を支えていくのが基本構図であるのだとしたら、試合当たりの利益を少しでも出して、試合回数を増やすことが運営上の施策とも云えるわけだ。
既に初年度の開幕前から言われていたが、旧・日本リーグのクラブと旧bjのクラブの資金力の差である。プレイスタイルやチームマネジメントも違う。高い年俸や安定的なクラブ運営の魅力に富む旧・日本リーグ勢のクラブの魅力は、結果的に成績の差になって現れたわけで、旧bjは、持ち前の別の魅力を発揮してそれを打破しなければならないのだ。Bリーグ初年度ではそれは殆ど果たされなかったが、互角或いはそれ以上に戦えることも証明した一年でもあったわけで、2年目以降はより弱肉強食の構図が強化される中で、結果も求められるのである。
東地区の旧bj勢が浮上しない限りは、強い旧・日本リーグ勢が居ない西日本にしか旧bj勢の居場所がないB1という構図の打開は難しい。3地区制ではなく2地区制でうまく割り振りできる構図の研究も必要かもしれない、と個人的には思う。
あとは、チーム得点圏であり、攻守の要を務めることの多い外国籍選手への依存状態の軽減が課題であろう。当然、好調だった選手は海外の上位リーグのステップアップが望める上にBリーグ内での引き抜き合戦も横行している。年俸の安さがそれを抑止できないのである。外国籍選手の移籍制限なども視野に入れるべきであろうかと思う。
年俸の引き上げが難しいのであればサラリーキャップ、サラリーキャップも難しいのであれば新人選手に対するドラフト制度なども必要であろうと思う。その辺り、Bリーグはサッカーに近く構成されていて、世界の選手市場においては焼け野原にされてしまう可能性も孕んでいると僕は感じている。
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