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2017年04月16日16:08

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「母 小林多喜二の母の物語」

プロレタリア文学「蟹工船」で知られる小林多喜二の母・セキの半生を描いています。
貧しい家の娘に生まれたセキは、15歳で小林家に嫁ぎ、三男三女を生み育てました。字も読めなかったセキでしたが、愛情いっぱいに子どもたちを育てます。

タキの次男の多喜二は銀行に就職します。当時の銀行は生涯楽に暮らせる程の高給取りでしたが、多喜二は貧しい者の味方をする小説の執筆にも励みます。しかし、多喜二の書いた小説は現政府を批判する危険思想とみなされ、治安維持法下で特高警察の拷問により29歳の若さで亡くなってしまいます。

多喜二の死を受け入れられず苦しむセキは長女の誘いで教会を訪れ、イエス・キリストの死の話を聞き、マリアがイエスの遺骸を抱くピエタ像を見て、多喜二の姿を重ね合わせ、思いを巡らせます。

文学史の知識でしか知らない小林多喜二ですが、拷問死なんて、本当に怖いことで、またこんな時代になってしまったら大変です。
新法案は治安維持法まがいの共謀罪ではないかと山田火砂子監督が戦争への危機を感じ、「時代を逆戻りさせない」という決意で作った映画で、今、見るべき映画だと思いました。
原作がクリスチャンの三浦綾子の小説「母」だということを知らずに見たので、後半は社会性よりも宗教色を強く感じてしまいました。

セキ役を寺島しのぶ、多喜二役を塩谷瞬が演じるほか、渡辺いっけい、佐野史郎らが出演。
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