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2017年02月21日14:45

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「なぜ時代劇は滅びるのか」「陸奥甲冑記」

「なぜ時代劇は滅びるのか」
春日太一著。時代劇の凋落は内容の質の低下が原因。なぜそうなったのか。その理由を時代劇映画の盛衰と時代劇TVドラマの盛衰の歴史で評論。時代劇とはファンタジー、嘘を語るにはリアリティが必要だが知る人が減ってゆく。今の大河ドラマの質の極端さへの嘆きは納得も。欧州では中世物、米国では西部劇、日本では時代劇。時代物はジャンルとして続くのは難しいのかな。当たり外れ激しい大河だが「真田丸」「黒田官兵衛」は良かったし。BSジャパンの時代劇シリーズも色々だが今回の「人形佐七捕物帳」は面白い。滅びないでほしいなと。

「陸奥甲冑記」
澤田ふじ子著。阿弖流為(アテルイ)率いる蝦夷と朝廷の話。地の文がほぼ歴史蘊蓄で埋め尽くされてるのがとても歴史小説らしい。当時の風景や服装や家が目に浮かぶよう。蝦夷側も朝廷側も人物も同じ比重で扱われているためか主役が曖昧。ひとつの章の中で主役意外の心情もちょこちょこ書いてるところが漫画的というか。阿弖流為と、蝦夷側につく都の盗賊と、夢敗れて故郷に戻り軍師になる蝦夷出身の僧が主役とまでは言えないが出番多いかな。個人の小競り合いはあるが戦はさらっと記述なので戦記ではないね。後半は坂上田村麻呂も多く。蝦夷側は多部族が協力し抵抗するも坂上田村麻呂の恭順策に蝦夷の結束は切り崩され阿弖流為たちも降伏し処刑される。筋は同様でも勝ち戦が多い高橋克彦著「火怨」と逆に蝦夷側の敗色の色濃い感。


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