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2017年01月16日22:06

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『並河靖之七宝展』に行って来た。

夜勤明けの半休を利用して、今日も寒さに負けず、ミュージアム!

東京都庭園美術館「並河靖之七宝展 明治七宝の誘惑―透明な黒の感性」
【展覧会HP】http://www.teien-art-museum.ne.jp/exhibition/170114-0409_namikawa.html
フォト
知る人ぞ知る七宝の名工・並河靖之(1845〜1927)の没後90年を記念する回顧展。
これほどの名匠にもかかわらず、初の大々的な回顧展という。
ここ数年、にわかに《明治の超絶技巧工芸ブーム》が来てるように思う。その波に乗って、こうした素晴らしいアーティスト、職人さんの仕事が再評価され、注目を集めるというのは、一工芸ファンとして、大変喜ばしいことだ♪

わしはといえば、行きつけの東博の近代美術のコーナーで何点か、並河の作品は見たことがあったし、昨年だったか? TV番組『美の巨人たち』で取り上げられていたのを興味深く拝見したのも記憶に新しく、初回顧展が開かれると知って即座に、「これは是非見に伺わねば!」と予てから期待を寄せていた( `ー´)ノ

明治の工芸品というのは、どのジャンルにしろ、全く恐るべき超絶技巧! 中でも、並河のように帝室技芸員にまでなってるようなトップレベルの人の作品は、言語に絶するクオリティに達してると思う。ただただ驚かされる。鑑賞中も、アホみたいに、開いた口が塞がらない。。
先ず驚くのはその《細密さ》。
じっと見てると目が痛くなってくるような細密な絵柄の中に、さらに細かい線や、象嵌や、キラメキの粒子が見える。。「どうやったらこんな細けぇ仕事が出来るんだ( ゚Д゚)?!」と。
七宝の完成作品と一緒に、かなりの数の下絵も展示してあったのだが、その下絵すら、線が繊細過ぎて、わしにはとても描けん! と思ったくらいだ(;´∀`)
つうわけで、鑑賞にはぜひギャラリースコープの使用をおススメする。わしは自前のを持参したが、会場でも貸し出していたので、借りて見た方がより楽しめるかとm(__)m

好かった点として、「展示会場と展示作品がマッチしてた」という点も挙げられると思う。
庭園美術館の建物、旧朝香宮邸が建てられたのと同時代に活躍した並河であるし、同じような豪華な洋館・赤坂離宮(国宝)の装飾を並河が担当したというのも、先述したTV番組で見て知っていたので、なるほどマッチするのは頷けたのだが、当館の施主である朝香宮殿下と並河は直接交流もあったようで、並河が殿下から下賜されたというシガレットケースなんかも一緒に展示してあり、興味深かった♪
あと、超絶技巧の作品って、初っ端のインパクトは凄いんだけど、数を見ているうちに、だんだん飽きてくる。。という弱点があるように思うのだが(わしが飽きっぽいだけなのかも知らんが?)、本展に関しては、飽きをあまり感じなかった。というか、後半の、晩年の頃の作品の方が、よりステキにさえ感じたくらい!
なぜといって、絵柄や色彩のデザインが変化してくるだけでなく、器物そのものの形や色も、どんどんバリエーションに富んできて、「あくなき挑戦と邁進の成果だな!」と。

それから、《七宝》というのが、以前から、わかったようでわからない代物だったのだが、本展を拝見したことで、何となく技法・製法が理解できるようになったのも、個人的には収穫だった♪
会場途中では、文章による解説と、それぞれの工程途中の実物の品を展示して、七宝についての説明があったが、それだけでは正直あまりピンと来てなかった(;´∀`)
しかし、新館の第2ギャラリーで映像解説を見て、どういう段階を踏んであんな風に仕上がっていくのか、理屈は理解できた。あくまで、「理屈としての理解」であるが。。

いや、それにしても、またもや最高級に楽しめた展覧会!
工芸系の展覧会は、やはり性に合うのだろうか?
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