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2017年01月15日22:04

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オリガ・モリソヴナの反語法/仲代達矢が語る 日本映画黄金時代


米原万里「オリガ・モリソヴナの反語法」集英社文庫

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1960年代のチェコ、プラハ。主人公で日本人留学生の小学生・弘世志摩が通うソビエト学校の舞踊教師オリガ・モリソヴナは、その卓越した舞踊技術だけでなく、なによりも歯に衣着せない鋭い舌鋒で名物教師として知られていた。
大袈裟に誉めるのは罵倒の裏返しであり、けなすのは誉め言葉の代わりだった。
その「反語法」と呼ばれる独特の言葉遣いで彼女は学校内で人気者だった。
大人になった志摩が1992年ソ連崩壊直後のモスクワで、少女時代からずっと抱いていたそれらの疑問を解くべく、かつての同級生や関係者に会いながら、ついに真相にたどり着くまでがミステリータッチで描かれている。
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米原万里さんの最初で最後の長編小説です。
チェコのソビエト学校にオリガ・モリソヴナという教師がいて、ソビエトからの解雇指示に教師たちが反対した、というまでは本当にあった事。
そのオリガの過去の謎解きはフィクションですが、実際にソビエトで行われた粛清や収容所の事実を元にしているのでリアリティがあります。
ベリヤなど実在の人物も登場します。非常に面白かったです。


春日太一「仲代達矢が語る 日本映画黄金時代」PHP新書

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役者になって60年。今年80歳を迎える仲代達矢がこれまでの作品を振り返る。
日本映画は昭和20年代から30年代を中心に黄金時代と呼ばれる。ちょうどその頃、仲代達矢はデビューした。
俳優座養成所でのこと、小林正樹、岡本喜八、黒澤明ら名監督との出会い、高峰秀子、原節子、勝新太郎といった有名俳優との仕事などを回想する。
映画会社の専属にならない、当時としては珍しいフリーの立場を貫いた。一年の半分を映画、もう半分を舞台ときっちりわけて仕事をしてきた俳優だからこそ、日本映画の盛衰を冷静に見ていた。現在の映画界についても鋭く語る。
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春日太一さんが仲代達矢さんに映画についてインタビューした本です。
数々の名監督や名優との仕事を細かく語っていて非常に面白いです。
全く知らなかった話はあまりないですが、貴重な証言をうまくまとめています。
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